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ドラキュラ伝説

今年度の海外歴史ミステリー小説の中で、私の中でのトップランキングの双璧は、東欧のドラキュラ伝説を扱ったヒストリアンと、南仏のアルビジョア十字軍を扱ったラビリンスです。

みなさん、もう読まれましたか? いずれも、日本では全く無名だった若い女性作家の長編多次元歴史小説だという点で共通項が多いですね。マグダラのマリアの血脈を扱ったダビンチコードの大成功の余波の中に埋もれがちに出版されたのですが、ヒストリアンはNHK出版が、ラビリンスはソフトバンク出版が満を持して出版してきた魅惑の書であることを否定する人はいないと思います。さて、これらはダンブラウンのダビンチコードに追随出来るのでしょうか? 

今回は、エリザベス・コストバの Historian の巻

 

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彼女が今回の作品で取り上げた東欧ルーマニアドラキュラ伝説。映画やドラマで吸血鬼、ヴァンパイアのイメージこそ世界中の人にあれ、実際に詳しく知る人は極めて少なかったに違いない。はたしてドラキュラは現在も存在するのか? どんな伝説が横たわるのか? なぜ長い間、世界中の人々の心を捉え続けるのか? 伝説を生んだ東欧の奥深い魅力とは? 

これらを余すことなく彼女の筆が描き出してくれる。老・壮・青の三世代の歴史家Historianがそれぞれの異なる時代・年代で手紙を通して夫々の思いを描き手繰り寄せる。危険な香り、他の人には託せない重要な心の絆。吸血という行為が遺伝子を受け渡すかのような時空を超えた伝説と現実。

 

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物語は、イギリス、フランス、ルーマニアブルガリアユーゴスラビア、トルコなど東欧を中心にヨーロッパとアメリカまで及ぶ。それらの国々を旅した者にとっては、秘密を解き明かす冒険に参加する喜びを感じることであろう。

最後は・・・・ 秘密にしておきますが、あなたはグルッと周囲を見渡したくなるでしょう。また、ルーマニアブルガリアといった東欧諸国を旅したくなる事請け合いです。

 

最近は、随分と東欧を旅する事が簡単になったようですね。ベルリンの壁が崩壊する前のルーマニアは、ドラキュラ伝説で観光客を呼ぶ雰囲気ではなかったものです。いつか、1989年にルーマニアを旅した事を記したいと思います。

 

読んでくれてどうもありがとう。