Welcome To The Heartland

Back To The Street ふろむ診療所

娘の涙

昨日の夕方、10歳の娘が自転車に乗りたいと言い出した。チョッと用事を済ましてくるから勉強しとけよ・・と言って帰ってきたらもうかなり日が傾きだしていた。

日曜日は、家族との時間を最大限に使おうと思っている。ゴルフは娘が生まれてキッパリやめた。盆正月もほとんど仕事で会えないのでせめてもの罪滅ぼしだが、勉強も忙しい年齢になってきたので彼女達の空いた時間が益々私にとって貴重なものになってきた。

 

「いいよ・・・」と言って、娘を一人で自転車にのせ家の前の坂を下り、「パパのらないの?」と訊かれたが、私はテクテク歩いた。坂の多い地区なので自動車が少ない道を選んで、四角く一人で回らせていた私からは2辺が見えるが、残り2辺は見えずにしばし死角にはなるが、私は自動車の多い道の方を監視しようとしたわけだ。

だんだん薄暗くなりだしたとき、娘が「誰もあっち居ないもん・・」と言い出したが、「もう少し回ってきたら?」と私が言ったのに、あれだけ自転車に乗りたがっていた娘が「だって、誰もいないもん。もういい・・」って、一人で家に向かって坂道を登り始めた。後に置いていかれた私は、「もう一回降りてきて回ってごらんよ・・・」と大きく呼び返してみたが、娘は家に入るやいなやベッドに突っ伏してシクシク泣き出してしまった。

訳がわからず困惑していたら、娘が家内に「だって怖かったんだもん・・誰も居ないってパパに言ったけど・・怖かったんだもん」と泣くばかりであった。家内が「パパにも自転車でついて行ってもらえばいいの?また乗りたいの?行く?」って訊くと、「ウン、行きたい・・」との返事だった。

私はもう一台の自転車に空気を入れなおして、娘を従えて夜間ライトを二人してピカピカ点滅させながら随分と暗くなった道をしばらく楽しんだ、仲良く話をしながら・・・

  

家路につく娘の顔はもうニコニコしていました。

我が家の近くもご他聞にもれず年に1度くらいは、路上で事故が起こったり痴漢が出たりしているために、学校などで神経質に注意をしますし、子供達の心の中にも危険なものに対する警戒心が相当植えつけられているのでしょうね。私は男ですし、自分が小学生のころにはそんな事考えもしなかったので、全く無防備になって娘を一人で薄暗い道に出してしまったんでしょうね。元気な子にするつもりが、今の子供達の置かれた環境を知らされてしまう事になりました。

大いに反省しました。娘へのデリカシーの欠如した雑な父親になりかかっていました。

同じような、ものの感じ方の方向性の違いというのは、日々の診療の場面でも良くあるんでしょうね。悩める患者さんの声なき声に耳を充分に傾けて、心や病気を癒してあげる事・・・ 娘に教えられた日曜日でした。

 あとは、家族で行きつけの焼き鳥やさんに行って、真央ちゃんを見るため、家路を急いだのでありました。

 

読んでくれてどうもありがとう。