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久しぶりの湯布院(3)

湯布院の街中の混雑を避けるかのように「九重へ乗馬しに行こう」となった私達に、突如難問が出現した。またしても妻の一言だった。「ロールケーキを買いたいので駅前通りに回って・・」とのお願いを聞き入れて、有名らしい洋菓子屋さんの前に車をつけた。折角きたので、たまに近所でも手に入るらしいが、現地で買いたいという。1:45に到着した時にはまだ販売開始されてなく、2:00以降の引き換え券をもらって残念そうに車に戻ってきた。チョコロールの方は最期の一枚だったらしく、「どうしようか?乗馬は3:00に予約してるし、遅くなると高原だから寒くなるし・・かといって、乗馬を楽しんで帰ってきても、4:00の引き換え期限には間に合いそうもないし・・」ということで、子供達の意見を尊重する形で、そのまま乗馬クラブへ出発した。紅葉シーズンで九重までの道のりが多分混んでて一時間位かかるだろうと思っての出発だった。私はロールケーキにはあまり興味が無かったので、「家族で乗馬」の方を選択した。

ところが、意外にも、かつてやまなみハイウエイと呼ばれた道路はスイスイと混雑も無く、車の中で妻が「最期の一枚の整理券、惜しい・・悔しい・・食べたい・・食べさせたい・・」と余りにも残念そうに言うものだから、最初興味が無かった娘達まで「そんなに美味しいなら、戻ったら・・とか、乗馬してる間にパパがケーキ取ってきて・・」とか妻にスッカリ洗脳されてしまった様子。なだめすかして、乗馬クラブに到着したのは2:30。「これなら、ロールケーキを受け取ってから出発しても何とか間に合ったのに・・」と女性陣の抗議は益々ヒートアップしていった。と言うと、妻達の悪口を言っているようだが、愛している裏返しなのでアシカラズ・・。

最高の秋晴れのなか、家族一緒のウエスタン外乗も次はいつ出来るかわからなかったので、私と子供は「50分遠乗りコース」をやりたかったが、妻は「30分ミニコース」を主張した。「早く乗って早く帰ればケーキに間に合うかも・・」との魂胆が見え隠れした。30分コースは並足だけで景色もイマイチだと私には分かっていたし、料金的にも50分に比べ割高だったので乗馬歴の長い私は賛成できなかったが、シバラク乗馬から離れていた家族にとっての早足や駆足をまじえた外乗は確かに少々負担だったかもしれない、と後になって思った。

2:55出発の3:20到着の30分ミニコース。最期に4人で馬を4頭並べての記念写真を撮ってもらって、家族全員が手も洗わず着替えもせずに車へ一目散。再び湯布院盆地を目指してのドライブとなった。寒さでシャキッとしたのと4:00までに戻れるか不安があって妻と娘達は全く居眠りもせず、時計を気にしてばかりだった。幸い、3:55に湯布院の街が見え出した時にお店に「5分遅れるが取り置きして・・」との電話をして4:10頃にお店に到着。今度は私もお店に入って有難くロールケーキを購入したのでありました。その間にも次々に訪れる客の注文を断り続けるお店には正直驚きだった。これじゃ運よく買えるチャンスはなかなかないし、妻のホッとした気持ちを少しは理解した。

お店は、由布岳山麓にある超有名旅館の街中のサテライト店であったが、お店の方は「まだ旅館の談話室ではお出し出来てるかもわかりません・・」と客に説明をしていた。案の定、折角来たんだから山荘無量搭でお茶して帰ろう・・と妻の意見に全員が乗る事になった、まだ4:30だったから。

考えてみれば、既に5年間も泊まった事がなく無量搭への道をチョッと間違ってしまったが、翳り行く夕日の山麓の心地好い空間で大きなスピーカーから静かに流れ来る音楽に身を委ねて、美味しいチョコとコーヒーを楽しんだ。宿泊以外の客も少なくない場所だが、係りの人が「ロールケーキは売り切れです」と説明する言葉に、ガックリしているカップルも少なくなく、妻は少々ニコリとしていた気がする。わざわざ登ってきた人もいた事だろう。

久しぶりの山荘無量搭、案の定、お茶だけでは済まなかった。前回来た時には無かったイタリアンレストランをパンフレットに見つけた妻のリクエストを私は適える事にした。5:15の予約は早すぎと思ったが、私達に用意されたテーブルから外がゆっくりと焼けて暗くなっていく様が堪能出来、とても美しかった。コース料理に「1日限定15食の特製親子丼」を追加して幸せな夕食を頂けた。目の前のテーブルには見慣れた男性とその家族、なんと同じ医師会の方だった。

こうして、私達の久しぶりの湯布院旅行は帰る時間となった。楽しくもあり、またいつ来れるかとの不安もあり、娘達との時間をいつまで共有できるかとの思いもある。お金で買えないもの・・自分達で努力して創り上げていきたい。

自宅に帰って真っ先に飛び込んできたのは、北九州の校長自殺や各地の子供の自殺のニュース。一緒に娘とお風呂に入りながら、「いじめられたりしたらパパやママや先生にちゃんと相談しなさいよ」と言うのがヤットであった。

 

読んでくれてどうもありがとう。