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Back To The Street ふろむ診療所

風邪はイヤだ

先週くらいから風邪の患者さんが急に多くなってきた。正確に書くと、風邪症状のある患者さん達で、当然ながらインフルエンザはまだ流行していない。毎年、「風邪が流行り出すと開業医は喜ぶ・・」などと世間では信じているようだが、私は大嫌いだ。「開業医なんて風邪しか診れない医者だろっ」て意見も拝聴するが、私は風邪の治療が下手だし、なにしろ風邪の患者さんは遠慮出来れば遠慮したい。

 

まず、一年に1~2度は必ずうつされる。しかも、普通の風邪には免疫が出来ているので、その年の最強最悪の症状の患者から有難く頂くことに成る訳だが、当然かなり悲惨な症状をもたらす。これまでは大抵、何故か休日に高熱を出し、抗生剤を一錠だけ失敬して 熱い風呂に入って 丸1日ガーッと汗出して寝て過ごせば 何とか翌日にはなおっていた。が、この治療法は患者さんには薦めてない。幸いにも休診は8年以上、全くしたこと無い。しかし、風邪ひいて、私より軽い風邪の患者を次から次に数十人も診察するのはさすがに辛い。

また、当院は90%は慢性疾患の患者さんで、風邪の季節には移される事を嫌って、慢性の患者さんが待合室に居たくなくて薬のみで帰りたがるので、正直なところ管理内容が疎かになる。別の角度から言うと、検査や指導などの収入が減り、こっちが悪くないのに無診療投薬の批判を浴びやすくなるので、色々ストレスになる。

勿論、定期受診中の慢性疾患の患者さんも風邪をひくが、何故か定期通院日まで少し我慢して来院される。結果的に両方診察するので通常より二倍も時間がかかる。別の角度から言うと、風邪をタダで診察している事に気付きガッカリする。将来の包括制では多病の扱いが気になる。

一番は、他の診療所に馴れた患者さんに注射や抗生物質の要求を断るのが鬱陶しい。「風邪の注射を一本して・・」と言われるが、してやらないと機嫌が悪くなる人が少なくない。時々、「風邪なら他所に行ってくれ・・」と機嫌が悪い時には言ってしまうが、いつまで風邪患者なしでやって行けるのか、少々不安だ。時間外診療の風邪患者は必ずと言っていいほど点滴を希望するが、ハッキリ言ってご遠慮申し上げたい。私の機嫌がいい時だけしてあげている。

しかし時々、「風邪じゃないの」が混ざっているのも気苦労のもとだ。最近は、風邪症状を主訴にした非ABCの急性肝炎が2例立て続けに認められたが、院内トランス検査が出来ないので、残念ながら後手後手に回る。髄膜炎、心筋炎、肺炎などの入院を必要とする疾患も最初から診断が容易という訳ではない。直近の肝炎患者はEB感染後肝炎だったみたいだが、当院では症状の性状から「急性胃炎」と考えていて、とりあえず胃薬を出していた。もっとも、他に沢山の定期薬と交通事故後の鎮痛解熱剤を他院から処方されていたし、私の丁寧な診察にも関わらず、右季肋部痛や肝腫大などの所見は認めなかったのだったが・・他の病院から「肝炎でしたのでお宅の診療内容を知りたい・・」と電話があった時は少々恥ずかしくもあった。

今週は毎日、通常より10~15人程多い外来患者を診療しているが、幸いにもまだ移されてはいない。年を越えてのインフルエンザシーズンは私にとって「地獄の日々」であり、もし近い将来、【新型インフルエンザ】が流行したらどうしよう?と、本気で心配しながら毎日を過ごしている。

 

読んでくれてどうもありがとう。