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Back To The Street ふろむ診療所

生命保険の加入時診査

生命保険業界の保険金不払いが問題になっているが、先日こんな事があった。

当院も患者数が少なくて暇を持て余していた時期に、生命保険会社数社との診査業務委託契約を行った。つまり、加入時の診察だ。

最初は暇で、出かけて行って診査をやったが、面倒なのでたった一回で止めた。

和歌山カレー事件の影響で顔写真いりの証明書必須になったが、田舎には免許証や証明書持たない人は沢山いる。替え玉受診が未だにあるのか、黒子や小さな傷まで記載を求めてくる。

診査は上半身裸が原則とされたが、加入者からの苦情でいつの間にかウヤムヤになったみたい。

しかし、自己申告が厳しくなった。

まず、投薬は7日以上は要記載。これだと、風邪さえ該当しかねない。検診が増え、項目も増えたために混乱が生じだしている。つまり、検診やドッグでの疑い診断や要精査項目の扱いである。最近の検診は、検診を担当する病院が広く網をかけて精査に回そうと厳しく引っ掛ける方針のようで、二次検診に回ってきても、「これ位なら普通は正常範囲だろう・・」という程度の要精査判定が多い。

その結果、胃透視や腹部エコー、心電図などで僅かな異常といわれても、結局経過観察で可とされる場合が少なくない。あるいは一次の精度が本当に悪かっただけかもしれない。しかし、この件を申告する人としない人がいる。正式には、一次検査が誤診であっても申告すべきらしい。逆に、尿潜血などは生理中女性の診査が後を絶たず、なんと不問になったらしい。よっぽど問題だと思うのだが・・

さて、先日の事件とは・・

何時も冷静な馴染みの保険会社の方が、青い顔をして私に面会を求めてきた。**さんの診査の件で、「胆嚢関連の疾患での保険を除外する」との本社の決定が加入者に通知され、それに対して加入者が保険会社と診査医を怒って苦情を強く言ってきているらしい。その方の言い分は、「あんないい加減な診察内容で自分が胆嚢に問題があると判るわけがない・・・」という事のようである。

その加入者の名前を聞いただけでは分からなかったが、随分薮医者と判定されたもんだな。亀田の疑惑判定より惨めだな、と感じた。コピーを見ると「検診で、胆嚢に小ポリープを指摘され病院で精査したが、まだ経過観察で放置でもかまわない、と言われた。」と記載していた。つまり、ご丁寧にも放置可能の小さな異常を申告してしまったために条件付加入になってしまった訳である。しかし、加入者は恐らく素直に納得はすまい。今度は、「あの薮医者が、問題ないから全部言えといったから言わなくて良さそうな事まで言った。あの薮を訴える・・」とならないといいのだが・・・

自己申告は難しい。数年前に脳動脈瘤脳ドックで発見され手術を受けた当院の患者に、保険金が下りなかった。なぜなら、高血圧の診断後に保険に加入したから、動脈瘤が加入前の問題継続 とのこじ付けをしたらしい。かわいそうな事だった。今なら、ゴネレバ未破裂動脈瘤と軽症高血圧は無関係と言えそうだが・・・

それで、最近は申告欄は各社複写式を採用している。大手S社はコピーを送付しているらしいが意味は同じで、「書いてなきゃ出してあげないヨ~ン」という証拠書類にしたいだけだ。

また、先日はある保険会社が「裁判の際の意見書を提出してくれないか・・」と相談してきた。勿論、支払い拒否側の医師として・・ 当然ながら断った。

うっとうしくもあるが、保険診査代は年々安くなっているものの、当院の経営には少々貢献もしているので続けざるを得ない。ちなみに、郵政民営化で虎視眈々と狙ってきているアメリカ系保険会社とオリックス生命の診査は倒産しそうになってもしない。そんな金は絶対にもらわない。私は郵政民営化反対投票者が、何の信念も無く賛成に寝返った不甲斐なさが許せない。

そもそも生命保険は必要なのか?

 

読んでくれてどうもありがとう。