Welcome To The Heartland

Back To The Street ふろむ診療所

京都での年越し

たった一晩の事ではあるが、なかなか年越しは難しい。家族みんなで一緒にあと幾回の年越しが出来るのであろうか?と思うと余計に気合が入ってしまっていけない。本来ならば自分の家に居て、着物を着て揃って新年の朝を迎えて屠蘇をいただき元旦らしく過ごすべき・・・と毎年の様に思うが、そういう基本的なことが出来ぬままに旅行を兼ねた年越しばかりを考えてしまう。正月文化をないがしろにして、日本人としてどうか?と自問自答してしまう。開業後、きっと時間に追われる貧乏性が身に付いてしまったのであろう・・・良い事とは全然思わないが。

今回の年越しも私達は京都の街へ出かけた。われわれの様な京都好きが多いのでホテルはどこも大晦日は予約が難しい。しかし、物好きにも これで二年連続の京都の年越しとなった。幸い昨年も今年も京都は爽やかに晴れ上がり、素晴らしい新年を迎える事が出来た。

12月31日は日曜日で外来を閉めていたが、元旦の振替透析のために代診医をお願いした。しかし予定は立てにくい開業医の性か、10時頃出かけるつもりが朝からシャントトラブルが発生し、大至急処理してギリギリセーフで飛び乗ったものの、沢山の忘れ物をしてきてしまった。ま、行ければいいか・・・との事で、携帯電話とクレジットカードと現金だけを携帯し、着替えもガイドブックも防寒用品も持たずに新幹線の乗客となった。

お気に入りのハイアット リージェンシー京都に着いて、年越しそば代わりのパスタ目当てでイタリアンレストランの遅い昼食。通りの向こうの国立京都博物館は休館日なのだろう・・静かな佇まいで、赤レンガの本館が柔らかな冬の日差しに輝いていた。このあとどうする?・・・と、一夜の計画を練りながら満腹になってしまった。

まずは、四時からの北野天満宮での大祓いへ。勉強を少しでも後押しして頂こうとの親心かな・・であったが、正直なところ、北野天満宮より太宰府天満宮の佇まいの方が霊験あらたかな雰囲気を持っている・・と言ったら天神さんに叱られるだろうか?ま、本家北野に二年も通ったのだから少しは成績も上がってくれないかな・・と大いに期待している。

陽も傾き、散歩がてらのそぞろ歩きで先斗町から祇園甲部へ。南座ではMETのオペラ魔笛の出張公演をやっていた。知ってたら・・・と残念至極。以前あがらせてもらった御茶屋Mの前にはタクシーが止まり、大晦日もお客さんがいたが、当方子連れで・・・我慢我慢。社会科見学のつもりの先斗町は遊園地の雰囲気だったらしく、子供にもとても受けていた。

大晦日の夕食は室町和久傳で・・。旧店から数筋引っ越して、町家を改装した作りで好感できる。ただ、その日だけなのか大人の時間がユックリ流れすぎて子供らのペースではなかったようだ。

ホテルに帰って、浄土宗総本山である知恩院へ気合を(寒さに負けないように)入れてイザ出発。昨年も出かけたが、場所取りのコツが分からず鐘突きが良く見えぬままに波に飲まれて押し出された苦い経験があった。やはり知恩院の鐘は、突く姿こそ美しき・・である。去年より遅く列に並んだが、今年は比較的スイスイ進んだ。30分も待たずに鐘楼へ登り、最前列にへばりついた。子供にもいたく感動を与えたようで、その鐘の音は老若男女を問わず心に響くものであるらしい。すっかり堪能して、予想外に早く次なる目的地へ向った。

昨年は大好きな法然院で厳かに鐘を突き心洗われる想いであったが、今年はホテルのすぐ近くの方広寺の鐘を突かせてもらう事にした。先着順ということでギリギリの最後列付近だったが、家族四人で一つ鐘を突き年越しをさせていただいた。有難い有難い・・・。ホテルまでの僅かな道すがら、夜のしじまのあちこちから幾重にも除夜の鐘が微かに響き渡る。ほら沢山色々聞こえるだろ・・・と耳を澄ました大晦日の事を子供らは何時まで覚えていてくれるだろうか?

 

f:id:murasawatakehiko:20170111222047j:plain

翌朝は、ユックリ朝寝を決め込み、なんと昼食まで済まし一時にホテルを出た。本当は九時頃に出かけるつもりだったが、ホテル自体が京風で心地好くノンビリしてしまい、元旦の予定は完全に狂ってしまった。昨年は上賀茂神社に出かけたが、今年は賀茂神社へ出かけた。糺ノ森を堪能するため一の鳥居から歩き始めたのが計算違いを更に助長してしまい、帰りの列車に間に合いそうもなくなった。それにもかかわらず、折角来たからと本殿特別公開まで見てしまい、帰りのタクシーは多分京都中で一番飛ばしてすっ飛んでいったと思われる。運転手さんには感謝したい。

奈良の小川で右手を清め・・・上賀茂同様に何かを子供達も感じてくれたに違いない。

 

来年のホテルを早く予約しようよ・・と子供達は親のワガママに来年も付き合うそぶりを見せ気に入ってくれた感じだが、果して一年後の私達はどう過ごしているのであろうか?

この一年また無事に過ごせ、医業も事故もなく人様に迷惑もかけずに悔いなき歳を重ねて行けます様に・・・ 仏様と神様とご先祖さまにお祈りお願いをしてまいりました。

 

読んでくれてどうもありがとう。