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Back To The Street ふろむ診療所

初体験でした・・・

今日の僕はこの歳になって恥ずかしながら初体験をしました。でも想像と異なり、僕にはあまり気持の良いものではありませんでした・・・。噂には聞いていましたが、彼女からの電話は何となくビジネスライクで・・・ 僕は戸惑ってドキドキしながら対応してしまいました。

 

彼女からの思いがけない電話がかかってきたのは朝の診療開始時刻を少し過ぎた頃でした。多分20代の女性でしたが、当院の受付のスタッフにいきなり訊いて来たそうです。スタッフも初めての電話だったので少々不審に感じて看護師に電話を回そうとした時に僕が「何の電話?」と問いただしたので、結局僕の所に電話は回ってきたようですが、彼女は何故か「院長である僕にかけたつもりは無かった」ようでした。

スタッフにも院長の僕にも彼女はいきなりこう訊ねてきました・・・『そちらの夜間のベッドは空いていますか?』

  

怪しげなホテル経営者じゃありませんが、夜間透析をしていますので何となく「透析ベッド」の件のようです。

 

電話での理解では、彼女は僕が永年過ごした大学の「病診連携コーディネーターか転院先を探す係り」のようでした。救急搬送の際に医師の手間を省こうと医師以外の人が採用されてやる「あの連絡係」のようでした。でも僕はそこの大学病院の透析センターには知り合いも多いし、今までの患者紹介は全部昔の仲間や後輩の医師が直接電話をくれていたので、いきなり『夜のベッドは・・』とうら若き女性に訊かれてもドギマギしてしまいました。

 

実は現在、夜間というか昼間帯のベッドがキワドイ状況だったので 時間帯によってはほとんど余裕が無くて、希望の開始時刻とか性別とか感染症の有無とか基礎疾患とかADLとか通院手段とか家族構成とか透析困難症の有無とか・・・色々知った上で、無理してでもやり繰りして引き受けるか否かを当院としては判断したいところでした。近所に他の透析施設も数ヶ所ありますし・・・

でも彼女は単なる連絡係で、当院や近郊に『夜のベッドが空いてるか?』を訊いていただけのようで、結局は性別・年齢・住所しか判らないようでした。

 

そこで「デートのお誘いじゃない」ことに気付いた某医院のハンサムな中年医師は、多忙な時間の不思議な電話にやや突っ込みすぎてしまいました。

『ねえ君、もっと患者さんの情報を報せてくれないと、ホテルの部屋じゃなんだから空室ありです・・どうぞ、とは簡単には行かないよ。透析患者さんとは今後生涯家族同様に付き合っていくんだから・・・。どうして主治医が電話しないの? 医局のスタッフも皆知ってるんだけど、どうして? 患者さんはお店に並ぶ物じゃないよ・・』 と少々恐いおじさんになっちゃいました。

『あの~、すみません。私はただベッドの空きを訊く様に言われてまして・・・決まりましたら主治医が改めて電話することになります、すみません・・』

 

なるほど・・・ とうとう大学も医師不足対策で病診連携の連絡係を医師以外のスタッフに任せだしたのか? 近くに、必ず入院依頼の電話を看護師さんが聞いて医師には繋がらない病院も以前からあったが、やはり患者紹介は忙しくても医師同士じゃないとダメなんじゃないかと僕は思います。電話口での担当医の緊迫した口調だとか、紹介状にかけないような些細な不必要かもしれない情報だとか、患者や家族の声なき声などを伝えるには伝言ではダメですし、そんな事が患者を人として他の医師や病院に診療を託す上では大切な事だと思います。

最近の行政対応は、患者紹介とかは医師でなくても誰かを雇えば医師の負担軽減が可能で簡単だ・・・と勘違いしていると僕は心配している。僕は患者を紹介したり紹介されたりするときの医師同士の電話連絡は、紹介状に書く数倍の情報量を含んでいると信じて大切にしている。

 

そんな訳で、うら若き女性との今日の初体験は・・・あまり気持ちよくなかったな~ 次は気持良いことないかな~

 

読んでくれてどうもありがとう。