Welcome To The Heartland

Back To The Street ふろむ診療所

タミフル問題に思う

タミフルが今年三月に使用できなくなった当日に僕は「休日当番医」をしていた。その時の心境は当時(春分の日ころ)のブログに書いたので良かったら読んで欲しい。

先日の厚労省の発表は全くの期待ハズレでガッカリもいい所だった。シロクロ付けずに先送り・・・小学生にも出来る安易な発表を半年以上もかけて出してくるとは、厚労省も馬や鹿程度の頭しかないらしい。禿も何とかならんのか?想像通りの発表では悲しくなる。

今回の場合には、薬害C型肝炎問題がぶつかったことも影響しただろう。昭和60年当時のフィブリノゲンと平成18年当時のタミフルの置かれた状況がダブって見えたに違いない。今後は触発されて昭和60年の時の輸血後肝炎訴訟も当然おきだすだろうし、消費税を30%程度にして救済財源を確保して乗り切ろうとしても、肝腎の消費自体が落ち込んでやがてこの国は滅びるだろう・・・。

 

タミフルを「使うべきでない、使わせない」ならばハッキリと言えばいい、『使用禁止』と・・・ 「医師と良く相談を・・」と言われても判断材料が無ければ判断できないし、患者にも説明できない。そして、『受験生でもインフルエンザになれば自宅で寝てなさい。試験会場に出て来ては迷惑です。感染拡大させたら責任がありますよ』と、言えるものなら言うがよい。浜医師も全国の受験生に『受験できなくて可哀想だが、感染拡大はダメだよ、欠席しなさい』と宣言できるものなら宣言すればよい。誰それの責任だ・・というなら、当然ながら浜医師も宣言すべきだろう。

タミフルを使用して有害事象が起これば医師の責任、使用しなくて有害事象が起こっても医師の責任、説明材料が無くても説明しなければ医師の責任・・・全く馬鹿げている。馬鹿げているけど、多くの医師が責任を当然と考えてしまうような「自分で自分の首を絞めるような議論」をネット上で自発的にしている。みんな、どうしちゃったんだ? 自分達で厳罰化を促進してはいないか?

もっと、『じゃあ、一体こんな時はどうするんだ? 具体的な場面場面で解説してくれ・・』と問いただすべきだと僕は思う。タミフルに限らないが、もっと政府やマスコミや裁判所や患者団体に、『こんな時はどうするのか? ハッキリ指針を示してくれ。双方に矛盾するような曖昧な指針は拒否する・・』位の事を言うべき時が着ているはずだと思う。

アッチの裁判では、「Aは良くて、Bはダメ」といいつつ、コッチの裁判では、「Aはダメで、Bは良い」という。じゃあ、どうすりゃ良いのさ?って、医師会も医師連盟も学会も世間に向って問いただすべきだ。なにも素直に全部の責任をアッチもコッチも全部医師が悪うございました・・・などと矛盾まで全部被るのはおかしいと思う。

 

そこで浜医師にも厚労省にも患者団体にも問いたい・・・「新型インフルエンザ」パンデミック時には使用禁止をするのか? 

タミフルの予防投与を禁止しつつ最前線で新型インフルエンザの診療に浜医師は当たるのか? 評論家みたいにバックヤードから「俺は使わずに外出もしない・・」などとは決していって欲しくない。「リレンザがあるさ」とかも論外だ。「ワクチンがあるさ」と言える人はいまい。聞きたいのは、「タミフルを飲まずに新型インフルエンザの患者を最前線で防護服も無いのに診療するか?」という事だ。答えて欲しい、浜医師やタミフル使用禁止を訴える人々には・・・

 

WHOが数日前にパキスタンの居住クラスター内での人~人感染を認めたらしい。「幸いにも感染拡大は防げている」とコメントしたようだが、実際にはどういう状況なのであろうか?

昨日、県から「新型インフルエンザ発生時の県と国の対策」と称する表が配布されてきた。実にあまい、そして不明確だ。コレでは医師法21条と同じで後からどうとでも解釈できるし現場に全てを丸投げしているのと同じである。

感染初期には厳重なる感染症医療体制が可能な指定病院で治療に当たるが、少し患者が増えると県内で4000ベッド程度を確保するそうだ。当然ながら「普通の病院で普通の医師」が診療に当たるのであろう。恐ろしいのは更に感染が広がれば、「対応が可能な全ての医療機関での診療を要請する」となっている点だ。もはや入院すら勧告しないレベルの流行期の話である。

国内で2500万人が感染し64万人が死亡すると政府が推測するパンデミック時には「対応可能な全ての」医療機関が「何ら有効な治療手段を持たないまま」に政府から診療を「要請」されることになっている。コレは各都道府県のHPに明記してあるので医療関係者は読んでおくべきだ。しかし、「対応可能」な病院とは、そもそも初期段階で診療に当たる指定病院以外にあるのだろうか?

 

タミフルの備蓄といっても一人5日分が1000万人分のみ? 感染は5日間では終焉しない。ワクチンが間に合わない事は明白だから、タミフルリレンザの併用による予防投与が「最前線で診療に当たる医療関係者」には必要ではないのか?それ以外に(全員に毎日いきわたるはずもないので)防護服を着用できない医療関係者が感染を防げる(負けない、死なない)方法はあるのか? 子供たちにタミフルを予防投与させない事でパンデミックが一層促進されはしないのか? 

政治家や厚労省の役人とその家族はタミフルパンデミック期に服用しないのか? それとも国民には禁止して自分達は服用するのか? どっちだ? 答えて欲しい。そして、使用するのであれば、『平時では禁止するが、非常時には強制的に予防投与する』と宣言すべきではないか? WHOもタミフルが一番新型インフルエンザ対策には有効と判断している・・・

 

曖昧な答えは欲しくない。責任を全部現場の医師にかぶせる事もやめて欲しい。一部の被害防止目的で多数の死者を生み出すのに目をつむるのは避けて欲しい。後から責任を擦り付けるのはやめて欲しい。

タミフル問題は今後も薬害C型肝炎問題とリンクしながら解決は当分しないだろう。でもその間に新型インフルエンザが流行期を迎えた場合、厚労省も患者団体も浜医師もダンマリを決め込んでは欲しくない。浜医師には是非最前線の現場でタミフルを服用せずに新型インフルエンザの患者達を治療してドンドン助けて欲しい・・・・患者思いの彼ならば当然「新型インフルエンザ」と最前線で命をかけて戦ってくれるに違いない。

 

読んでくれてどうもありがとう。