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新春プレゼント

成人式らしい本日もお仕事お仕事・・仕事があるって幸せですね。もっとも、政府によると史上最長の好景気で東京はプチプチバブル景気とやらでTV局は煌びやか、東京発のラグジュアリーな記事に青色吐息な地方住民は、開業医でも院内でカップラーメンをすすります・・・

 

さて、そんな可哀想な田舎の借金ビンボー開業医にも「新春プレゼント」が届けられました。嬉しいですね・・・

 

それは、昨年度の文化功労者である民俗学者谷川健一」さんからのサイン本です。といっても、僕が向こうから送ってくる程の著名人であるはずも無く、僕の持つ初版本(1981年刊行)にサインをおねだりしていたのが送り返されてきたわけです。

前にも書きましたが、1979年の12月に僕と谷川先生は八重山諸島小浜島細崎集落の大城民宿で出会いました。糸満漁師出身の大城民宿での出来事は終生忘れないでしょう。その時の谷川先生が僕らに話して聞かせてくれた八重山の物語が小説「海の群星」として1981年に出版され、1988年には石田えり子主演でNKHスペシャルドラマとなりました。

 

柳田>折口>南方>谷川と続く民俗学の巨星のお一人ですが、今も矍鑠として「日本地名研究所所長」としてご活躍ですし、全集が刊行中です。同封されたお手紙には各地の「地名研究会」設立や運営に尽力され、去年には当院のある県内でも地名研究会が発足したそうです。秋の総会で「再会」出来れば・・と書いてあり嬉しく思いました。

 

さらに嬉しかったのは、28年ぶりの僕の手紙に対して、「刊行予定の全集@巻の栞に当時の思い出の文章を書いて欲しい」と依頼されたことで、有り難く書かせて頂きたいと喜んでいるところである。当時、今以上にビンボー学生だった僕が開業医になっても先生の影響を受け続けている事を嬉しく思われたのであろうか?

 

先生は民俗学者としての研究活動と併行して「日本地名研究所」の所長としての活動を続けられている。(上は2002年の毎日新聞の記事)

昨日、平成の大合併を拒否した福島県矢祭町の記事を書いた。「矢祭」というのも素敵な地名であるが、合併していたら新市名は何になったのであろう。そう考えていたら谷川先生を思い出して今日の記事を書くことにした。

 

当院のある場所は平安時代のころから存在した名前を冠した郡であったが、平成の大合併で由緒ある郡名は地上から消えてしまった。その半分は江戸時代に出来た名前の市になり、半分は大した意味もない「ひらがな造語」の市名となった。当院は江戸時代の方なのでまだ良いが、悲しい文化破壊である。かろうじて町名は鎌倉時代のが残った・・・

 

この県内だけでなく、色んな合併新市名が安易に「ひらがな」や「合成組み合わせ」や「記号風」で決められてしまった。決めたのが「普通の住民投票」なので民意といえば民意であるが、歴史も文化も風土も地勢も無視したような奇怪な多くの新市名には悲しい思いを抱いている。無視したのか知らなかったのか・・・悲しくなりそうで理由は知りたくない。

幸い、字や大字を中心に地名が昔のままに残り、歴史を遡る楽しみも少なからずある。僕の実家の周囲もとっても面白い名前の大集合だ。

もっとも、最近の人々は引越しを簡単にするので自分のルーツとか地方文化の系譜とかには興味が無いかもしれない。忙しい医師にはそんなの考えてる暇も余裕も無いかもしれない。

でも、もし時間があったら貴方の周囲や出身地の地名をつぶさに眺めてみませんか? 楽しくなりますよ・・・

 

読んでくれてどうもありがとう。