Welcome To The Heartland

Back To The Street ふろむ診療所

必見、NHK(第二夜) 新型インフルエンザ

先にお知らせしていた【NHKスペシャル<感染爆発、新型インフルエンザの恐怖>】を観ました。第一夜がパンデミック時のシミュレーション・ドラマ構成、第二夜はインドネシア・日本・アメリカでの調査報告でした。御覧になった方も多いかとおもいますが、お奨めした立場上、パンデミック対策の遅れを懸念する医師としても番組の感想を書いておきます。

なお、その再放送が15日24:10~と16日24:10~の二夜連続で放送されると思いますので、見逃した方は是非御覧下さい。

特に、第二夜の調査報告に関しては、全ての医療関係者・政治家・自治体職員・マスコミ関係者・教育関係者など多くの国民にとって必見と思います。そして、マスコミと現場の医療関係者が協同で、政治家や高給官僚に「もっと具体的な充分な感染防御の対策」を訴え続けて行く必要があろうかと思います。

 

第一夜のドラマに関しましては、90分ドラマという性格上、時間不足で少々限界があろうと思いましたが、やや現場の修羅場の描き方がオブラートに包んであった印象で「甘すぎる」と感じてしまいました。でも、第二夜もあわせて御覧になったり、岡田研究員や河岡教授の著書(H5N1 など)を合わせて読まれれば感じるものがあろうかと思います。

 

それにしても【厚労省】は肝炎被害の100倍もの過ちを起そうとしています。厚労省感染症科の役人が実名で登場されましたが、正直TVじゃなくて眼の前にいたら怒鳴りつけてやろうかと感じました。厚労省の意見では、「第一義的には各自治体が対応すべき事と考えてます。国としては、必要があれば必要におうじて助言と指導をしていこうと考えてます・・」という趣旨の発言をニヤニヤしながらしていた。正@という名前で、俺は忘れられない。貴方は医師か? もし医師なら今の【思い切った有効な対策が取りづらい自治体へ丸投げ方針】で恥ずかしくないのか? 金が無い・・とか、法律が・・・とか、口癖の様な「寝ぼけた事」を言うと国民全てが後悔するよ。

 

その各自治体の対応の中で、国内で最も積極的な【品川区】であっても明らかに現場は混乱し準備不足どころか、実際の現場でのパニックが簡単に思い浮かぶ。昭和大学の呼吸器科の医師や救急科の医師がコメントを求められても答えようは無いはずだ。苦しそうに、『本当は国がもっと積極的に動くべきだ・・』と言うのがやっとだった。でも、よく発言されたと思う。

某医師会の理事会での協議風景も顔出しで行われていた。ある医師は、『逃げ出す選択をするかもしれないが、その後は医師も辞めざるを得ないだろう・・覚悟している。自分が家族が死ぬよりマシ』という趣旨で苦しい心境をハッキリ語られていた。他の多くの医師が『自身や家族の感染と生命の危機に行政が対応してくれないと診療の協力は出来ない』と感じているようだ。TVで堂々と述べられたのは相当の恐怖を感じているからだと思う。

 

日本政府の現段階の対策は、医療関係者に対して「竹やりでB29と戦え」と言ってるに等しい。

ワクチン技術の高い日本が何故ワクチン対策で完璧に他国に出来る対策をしようとしないんだ? しっかりしてくれ、厚労省の役人さんよ。これでは現場の医師や看護師は「犬死」だ。厚労省の無策で命を喜んで落とすのは「人間魚雷の特攻隊」とどう違うんだ?

 

とにかく、国(厚労省)の対策は全然具体的でなく、情けない。落第点である。特殊法人とか道路やインド洋での給油に巨額の税金をつぎ込む前に、シッカリしたパンデミック対策(封じ込めと予防・治療対策)をするべきである。

紹介されていたNYでは、予算を組んで毎年800台の人工呼吸器の備蓄をしているそうだ。【艦船の対策より感染の対策を・・】である。他国の燃料代に消える金で充分に自国のパンデミック対策も可能だろう。

1000人の肝炎患者は救えても、100万人の自国民が政府の無策のせいで死んでしまう。そんでもって、議員や官僚はワクチンを打ってTVモニターの向こうから日本崩壊を眺めるのか? アホじゃ有るまいか? ちっとはアメリカを見習え、呆け・・・

 

それにしても、2006年5月中旬にインドネシアで起きたヒトヒト感染は4家族の6人が感染し5人が死んで収束したが、これは【ヒト~ヒト~ヒトへ三世代感染】をしていたという。さらに、治療に当たった看護師が発熱したが、彼女はヒトヒト感染力の強い通常のAソ連型インフルエンザを発症したらしい。

もしこの看護師が「H5N1」と「Aソ連型」の混合感染をして、体内で遺伝子組み換えが生じていたら、今頃はパンデミックの第一波第二波が過ぎ去って僕らは地上に居なかったかもしれない。でも、僕は恥ずかしながら(興味はあるが)三世代間の感染を知らなかった。

先日の中国やパキスタンの感染はヒトヒトの二世代間だったが大々的に報道していたが、あれは一体なんだったのか? 三世代間の感染が既に20ヶ月も前に確認されているのに、なぜ報道しなかったのか? 隠そうとしていたのか? 二世代間の感染と三世代間の感染はレベルが全く異なるし、「患者の逃亡」というパニックが当時生じていたことを知っていた医療関係者も少ないのではないか? 看護師の体内でAソ連型との遺伝子組み換えが生じなかったことを含め、奇跡的な幸運と言うしかないと思う。

 

アメリカの対策は・・・今すぐに見習うべきものが多かった。政策に関与する人、行政担当者、ライフライン担当者、そして医療従事者・・・【パンデミックが起こっても最初の防御ラインを絶対に超えないように万全の具体的な対策】を協力して立てていきましょう。医療崩壊ではなく、日本崩壊ですよ、こんな無策では・・・

 

マスコミさん、NHKは立派な【調査報告】の番組を制作し、勇気を持って報道してくれました。第二夜の番組に対しては満点をあげたいと思います。

他社のマスコミさんも 暢気に悪意を持って「たらい回し」とか「救急拒否」とは「医療費削減」とか「医師不足」とか言ってる暇があれば、是非とも【パンデミックを予防し制圧する戦い】に全力を注いでください。

2006年5月中旬のインドネシアでのクラスター感染・・・奇跡的な幸運だったとしか言えません。

 

マスコミさん、政治家さん、読んでくれてどうもありがとう。