Welcome To The Heartland

Back To The Street ふろむ診療所

チョット 引いた

今日も連休後で来院患者が多く、平均して【5分の壁】を超えることは出来なかった。磔の刑にあったみたいに診察室の椅子に坐り続け、今にも漏れそうなオシッコをモジモジして我慢しながら、問診と説明に声が枯れて酸欠になるようにしゃべり続けて、何とか一人五分を越えるように努力したが、待合室の「待ち長いぞ~ 寝てるのか~ 早くしろ~」の苦情に根負けして堪らずスピードアップ・・・アップアップしながら【医師の前には五分】という格言と、「忍耐」の一語を思い浮かべた。

しかし、最近は患者ではなく医師のことを「ペイシェント」と言うようだ。

 

そんな苦悩の外来に、少々お騒がせな新患が来院された。

数ヶ月前に某巨大病院から紹介状だけが先に送られて来ていた心臓疾患の患者・・・とっくに僕は忘れていたが本日来院された。良く事務は保存しておいたと驚いたが、紹介状を改めて読んだ。

立派な心臓疾患の患者さん・・・

でも、何故か問診を行っている看護師ともめている。

『薬が切れたので薬だけ貰いに来た。検査は入院中の病院でしてるからここではしない。早く薬をクレ・・』と、看護師に要望している。

うん? 入院中って? 

紹介状には書かれていなかったが、実は精神科に入院中の方だった。完全に初診で強い薬を処方しますから、最小限の検査などを受けて頂かないといけません、診察無しでは診ません・・・と言うと、診察を受けず素直に精神病院に戻っていかれた。

 

数時間後、再び戻ってみえた。精神科の医師から循環器疾患の診療を奨められたので従ったらしい。案外素直だ。

10分以上かけて「問診」してみると、話がどんどん混乱してくる。精神科の医師は大変だと思った。

最初は近所の中規模病院の循環器科に紹介されたらしいが、そこが何故か「自分のとこでは無理」といって先の巨大病院に紹介しなおしたらしい。なんとか安定したので、巨大病院はその中規模病院ではなく、全く縁もゆかりもない当院に紹介状だけ去年送りつけてきていたのが真相のようだ。近所の中規模病院が無理と言う患者をどうして当院に? 距離は同じ位なのに・・

 

患者さんの更なる「問診」をすると、『俺は去年、人をひどく怪我させて無理やり入院させられた。精神病なんだ・・』と、ジッと眼を覗き込むようにして僕に応えるのである。

う~僕は、ちょっと引いた・・・ 椅子も後ろに30センチ引いた。

そして、診察と検査を終え、最後に言いたくないけど勇気を出して言った・・

『薬だけはダメだ。次からも本人がちゃんと診察を受けるように・・五分以上、いい?』

本当は、「薬だけで帰って欲しい・・」と思いもしたが・・・

 

でも、某巨大病院の医師には紹介状に精神疾患の病名も書いてて欲しかったです。こんな弱小開業医に逆紹介してくれなくてもいいんですけど・・・

 

読んでくれてどうもありがとう