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デジャブ:感染の波紋

小樽保健所を退職された外岡先生のHP「鳥インフルエンザ直近情報」によると、昨日インドネシアで最低17人の H5N1型 鳥インフル(疑)入院患者が出ているそうな・・・ 最近静か過ぎたインドネシアだったので、なんとなく警戒ランプが僕の中では点灯し始めた。17人がH5N1だと判明すれば過去最大の集団感染となる。来月職員が新婚旅行でバリ島へ行く予定なので少々心配しているが、続報を慎重に見守りたい。

 

当地で二週間前に発生したA型インフルエンザは、約一週間で隣接の学校に患者を発生させ、現在では半径10km以内の数か所の学校での患者が発生している。これらの情報は、当院の患者さんや職員の子供たちからもたらされ、保健所や医師会や学校などからの連絡は残念ながら一切届かない。

7年ほど前に当地が「グラウンド ゼロ」になった際にも最初の患者発生から水面の波紋のように静かに確実に周囲に拡がっていった感染拡大をもどかしく感じながら眺めていたことを思い出す。今回も前回も当院が休日当番日に何の前情報もなく患者が発生し拡大したのだが、保健所の対応は実に生ぬるかった。「デジャブ」を見る思いがする・・・

カップラーメンの異臭には敏感なTV局も保健所も、インフルエンザ(といっても初発は診断しにくいが)の奇異な発生事例にリアルタイムで反応するのが苦手なのであろうか? 前回はSARS騒動直後だったので尚更緊張して映画のような感染拡大の経緯を見守ったが、折角の新型対応の予行演習の機会を逃しているように感じる。

 

当院でも新型対策はなかなか難しい問題と感じながら職員を守るための対策を取ろうとしているが、今年から 流行の「所得制限」を設けることにした。

例えば、インフルエンザの予防接種料金である。職員本人は昔からずっと無料だったが、同居家族に関しては、患者さんから通常頂く料金の半額程度で行っていた。患者さんも子供だと大人の70%だったのだが、景気の悪さが職員の生活にも響いていそうだ。そこで、家族も全員無料にしたかったが、当院の経営も思わしくなく、また職員とその家族を含めると100人は軽く超えるので自民党に倣い「所得制限」を設けることにした。

簡単に言うと、常勤職員の家族は「これまでの半額」とし、非常勤職員の家族は「無料」とした。これまでの職員だけ無料からの変化に早速歓迎の声が上がったが、「所得制限」に関しては、常勤職員の一部で疑問視する声も上がったが、院長権限で強行することにした。大きな経費増加となるが、家族が病気すれば欠勤となり、雇用条件が脆弱な非常勤職員の生活苦が離職などに繋がる懸念も少なくはない。

 

タミフルリレンザ・高規格(抗体)マスク・・・その他の備蓄に関しても出来るだけ全職員の家族全体にまで行き渡るような数量を考えたい。事前調査した家族構成からは膨大な経費となろうが、職員の家族は僕の家族と同じ大切な人々・・・院長である僕には守る責務があるだろう。

『忘年会・新年会はどうします?』という質問が職員から出たが、『今年は新型インフル対策にお金をかけるので遊んでる場合じゃない』と即座にゼロ回答を行った。もちろん、職員旅行もなし。

 

もともと職員が働いて生み出した当院の利益であるから、僕が院長権限で飲み食いに使うか新型対策に使うか決めるのは不適当かもしれないが、「定額給付金」より良いんじゃないかと思っている。

もちろん、新型インフルエンザが流行しない方が良い。こんな世界的経済危機の時期に流行すれば、地球は大混乱に陥ることが予想されるから・・・

 

読んでくれてどうもありがとう