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Back To The Street ふろむ診療所

そろそろ源氏物語の世界へ・・・

今日も仕事で院内にいるが、昨夜は遅くまでテレビを観てしまった。NHK 教育の再放送、瀬戸内寂聴が語る「源氏物語君たち」。本来は25分番組を8回に渡って放送したものだが、正月なので全部通して放送しており、それにつきあってしまった。ことほど左様に面白かった・・・ということだ。

 

源氏物語は昨年、確認後1000年経過したということで、全国各地で記念イベントが行われ出版や展覧会などで大ブームになったようだ。瀬戸内さんの現代語訳だけでも250万部というから日本人の源氏物語好きは相当なようだ。今から書くことは詳しい人からは変に思われるかもしてないが、読むんだことがない人間の戯言と思って聞き流してほしい・・・

 

昨日書いた「ダンテの神曲」も700年だから、生没年不詳といえ紫式部源氏物語は確かに魅惑的な現存する小説としては世界最古かもしれない。僕はこれまで意図的に手に取らなかったが 実は非常に気にはなっていた。だが、昨夜のテレビ番組をきっかけに 今年こそは現代語訳でもいいから全巻読破してみよう と早速注文した。でも、ドロップアウトが怖いので 瀬戸内訳の半分の5巻だけ・・・ 

 

僕が大好きな作家で精神科医の帚木蓬生(ははきぎ ほうせい)先生のペンネームは源氏物語からとられている。これは先生の最初の作品を読んだときから知っていた。だからいつかは読むべきだろう・・と思ってはいた。

 

17歳夏に 空蝉(うつせみ)に恋する頃の「帚木(ははきぎ)の帖」と、28歳秋の 末摘花に心が動くころの「蓬生(よもぎふ)の帖」である。実は人妻である空蝉も 美女とは云えぬ末摘花も 光源氏が18歳から29歳頃まで登場するようなので息の長い恋愛関係だったようだ。先生は、この二つの恋愛が特にお好きなのだろうか? 

確かに、現代の若者に一番人気があるという夕顔のような性愛に長けた美女よりも 古風な和風な感じがしないではない。ただ、1000年前の「古風・和風」とは何ぞや?という疑問は残るが・・・

 

その他にも 桐壷の更衣、藤壺、夕顔、紫の上、朧月夜 などなど魅惑的な女性が数多く登場する。性愛の極み、悲恋に心を病む女性たち・・・ 男から読む源氏と、女から感じる源氏はそれぞれに興味深い。430人もの登場人物があるそうだから、様々な感情移入が1000年にわたって行われてきたのであろう。紫式部も同じような体験をしたに違いない・・・

 

その光源氏もちょうど僕の年齢(40代後半)の頃に、紫の上 を外してまで正室にした 女三宮 が 柏木 と密通し 薫 を生むという悲劇に見舞われ、急速に「女たらし」と無縁になっていく・・・ そして、52歳で光源氏は雲隠してしまう。

 

ちょうど僕らの年齢は 社会的にも性的にも変化が多い年頃である。これは、個人差はあっても 男性も女性もそうは変わらないだろう。源氏の時代は40歳は今の60歳、50歳なら70歳くらいの感じだったかもしれない。様々な恋愛、不倫、片想い に身を焦がしつつ生身の人間は生きていくが、ある年齢に至ると ふと忍び寄る 老い を感じ、静かに枯れて、しかし運良くば 悟りのような感覚 を得て再び歩み始めるのであろう。男と女の世界、今も昔も恐らくは変わらぬ源氏物語の世界・・・ なんとなく判るような気がしてきた、最近。

 

昨夜の長時間の放送を観て、「今の僕なら読める、感じれる」と思った。そして、「今のうちに読んでおかねばならない」とも感じた。今まで避けてきて良かったのか悪かったのか・・・ もうじきわかるかと思うと 少し緊張して読んでしまいそうでである。

 

読んでくれてどうもありがとう