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半日回峰行(前編)

懐かしい予備校寮の同窓会の一夜が明け、ホテルの窓から外を見やると、思いのほか爽やかな梅雨の中休みの朝だった。なんだか得をした気分・・・

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30年ぶりの友人たちと実に久しぶりに口にしたアルコール・・・昨夜21時過ぎに京都に着いてから26時過ぎまで・・・気だるい身体を鞭打って、僕はコッソリ温めていた「半日回峰行」を一人で強行した。

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国立博物館の向かいのホテルから京都女子大へ向かう坂道(通称:女坂)を不審者の様な出で立ちで黙々と登って行く一人の中年医師。その向かう先は女子大の寮・・・ではなくて、豊臣秀吉が眠る阿弥陀ヶ峰の頂、199m。

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豊国廟は予備校時代から僕のお気にいりの場所である。この辺りは古くより鳥辺野と呼ばれ葬送の場所であり、僕の愛犬タローの墓を勝手に30年前に建立した場所でもある。

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それゆえ、京都へ来るたびに登頂して参ろうとするが、段々と足腰と心肺機能が付いて行かなくなってきている。いうなれば、僕の運動負荷試験ともいえる「半日回峰行」であり、今回は50歳を目前にして東山連峰の南端(阿弥陀ヶ峰)から北端(大比叡)までの回峰行を計画した・・・

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さて、清水寺の舞台から正面に姿良く拝される頂上へは50円を支払って真っ直ぐに立ち上がる階段をヘエコラ息を切らして登ることになる。体力に自信がない方は、出来るだけ他の人と遭遇しなような時刻を選んだ方がいいが、一人倒れてもカラスの餌になるので注意が必要だ。上の階段を上りきると下の御門が正面に見える。

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そこをくぐって見上げると更に階段が貴方を喜んで迎えてくれる。いよいよ秀吉の魂と近づく厳かな雰囲気が辺りを覆う・・・

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このあたりで夏場は熱中症で倒れかねないのであるが、救急車を呼んでも多分5分では来てくれないだろうから運悪く死ぬかもしれないのでご注意を。

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そんな悲壮な覚悟で7月の炎天下に無理して登っても、199mの頂上からの眺望は無きに等しいので事前の情報収集と覚悟が必要である。ただ、観光客が滅多に来ない場所なので少々自己満足が出来る位であろうか・・・

しかし、困ったことに夏は蚊が多く、膝が笑って太ももが泣いても、慌てて転げ落ちぬようにしてほしい。ここが貴方の葬送の場にならぬようユックリと降りて来てください。麓にたどり着く頃には下着はビショビショに濡れ、真夏に無茶して登ったことを後悔しているかもしれません。

 

さて、次は比叡山延暦寺を目指します。でも本物の回峰行の様に歩いて行くと日が暮れて故郷へ今日中に帰りつかないので公共交通機関で向かいましょう。七条京阪から北へ出町柳へ向かいますが、鴨川沿いの景色を眺められない京阪電車は詰まりません。

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それに比べれば、叡山鉄道は一両編成で趣深く貴方を比叡山のふもとへと誘ってくれます。

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終点の駅も、その傍の高野川も趣深く、子供達が沢山泳いでいました。なんだか懐かしい風景です。30年前に戻ったような気分が昨夜より持続しています。

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そこから日本一の標高差を誇る大正時代建設のケーブルカーで美しい女性の運転手さんに案内されつつ初めての比叡山に向かいます。駅には紫陽花が美しく花を咲かせていました。でも、山頂のシャトルバスもそうですが、少々運行本数が少ないですね。

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近くの瑠璃光院にも以前から行きたかったのですが、本日は先を急ぐ行者ゆえ、ケーブルカーとロープウエイの間の三回百円の「かわらけ投げ」も(したかったけど)せず、時間も無かったので先を急ぎました。

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そしていよいよ、ギュウギュウ詰めのロープウエイで大比叡の山頂に到着です。梅雨の晴れ間、野鳥の鳴き声は爽やかでしたが、洛北の景色は少々霞んでいて残念でした。

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それにしても、比叡山延暦寺開創以来どれだけの僧や行者がこの山を歩き回ったことでしょう。たった15分で頂上に着いてしまって、大変申し訳ない気持ちになりました。

次回は、「半日回峰行」の後編を謹んでお送りします。

 

読んでくれてどうもありがとう