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Back To The Street ふろむ診療所

「バチスタ・チーム」に『治せない心臓はない』

昨日は久しぶりにフジテレビで「チームバチスタの栄光」という海堂尊先生原作のドラマ特別編が放送されていた。でも観ていない・・・最近色々と雑用に翻弄されているから。

 

また、海堂先生は葉山ハートセンター創設者で「神の手」と謳われる須磨先生の本を最近出されてもいる。でも読んでいない・・・別の心臓外科医を更に尊敬しているから。

 

その須磨先生が白羽の矢を立てて勧誘した心臓外科医、磯村先生が初めての一般向け著書を出された・・・これは忙しいが読んだ。どうしても読まずにはいられなかったから。

 

 

磯村正先生、お久しぶりです・・・と言っても先生は覚えておられるかどうか? 多分10年以上が経過して内科医の僕のことは忘れてあるに違いない。

循環器内科医にとって、本当に尊敬出来て全幅の信頼を寄せることのできる心臓外科医と一緒に医療をすることは何事にも代えがたい喜びである。しかし、現実にはなかなか得難いのもまた事実である。そんな本当の人間性豊かな技量に優れた名医の一人が磯村先生である。出たがりとは決して言えない磯村先生は須磨先生の名声の陰に隠れるように一般人や他科の医師には無名の外科医かもしれないが、僕にとっては世界一信頼出来る心臓外科医なのである。

バチスタ手術、先生はセイブ手術と言ってあるが、拡張型心筋症の手術を年間30例ほど毎年行われていて、名実ともに世界一の心臓外科医のお一人だ。ドラマの遥か上を行く症例数だ。

 

磯村先生は僕が出会ったころから白髪が多かったが、いつもこんな感じでニコニコ接していただいた。僕が留学する前に、先生に当時の冠動脈バイパス術の学内最高齢記録を僕の叔父を患者として成功していただいた。

僕が留学から帰ってから先生が葉山に移られるまでの2年間は、臨床はもちろんだが、研究でも内科と外科の隔たりなく何度か僕らの研究室に足を運んで指導していただいた。そんな時もはにかんだような笑顔の先生が、あることをきっかけに葉山に移られた時は残念で仕方なかった。

しかし、今こうして大学にいては到達し得なかった様な高みで価値ある仕事を続けられていることを知って改めて先生の実力の凄さを再認識している。

 

この本は一般人向けと同時に若い医師向けでもあるようだが、次第に減りつつある心臓外科医の魅力がよく伝わってくる。

僕はそれほど身近な存在ではなかったが、先生が葉山に移られる前後に悩まれたであろう時期を少し知っているだけに、先生の御成功が凄くうれしい。

僕が開業した頃だったか、先生が『いつでも患者を送ってください。羽田まで救急車を迎えにやります』と言われた言葉を今も覚えている。

 

僕がもし自分自身が心臓病で手術を必要とする状況になった時、迷わず命を委ねたい心臓外科医・・・それが磯村正先生だ。

 

読んでくれてどうもありがとう