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秋の行楽日和(その3)

クレヨンしんちゃんの作者は荒船山の豪快な絶壁を覗き込むようにして撮影した写真が最後だったとか・・事故か否かわからないようだが、歩きなれた山だったそうだ。御冥福をお祈りしたい・・・

今年の夏は韓国前大統領が自宅裏山の崖から転落死し、ノリP・ラリPも身延山へ逃避行し、大雪山系では高齢者登山ツアーで大事故が起き、しんちゃんが遭難死して、家族へ知らせるのも行ってからにしよう・・と思っていたが、行ったらほとんど圏外であって、都合5時間の連続通話不能は僕にとって過去15年間全く経験のない大事件だった。

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まあ、本当の大事件に直結しかねない問題が僕の足元、靴で生じていたのを先に書いたが、朝6時45分頃に長者原を出発し、靴の事情で速度を緩めて朝8時45分頃に法華院温泉(1300m)に到着した。

坊がつるには20張り程度のテントがあり、早朝に反対方面か長者原方面に何人もすれ違ったので昨日から泊っていたのであろう。バンガローも昔より綺麗になっていた。考えてみると30年ぶりの法華院温泉、温泉のある建物も別に建てられていて、働く人々も前来た時には生まれてなかった様な女性たちだった。僕の方がベテランだぞ・・・エヘン。

 

まあ、靴が壊れてしまったし、昔登ったことのある大船山(1786m)か中岳(1791m)のどちらかに50歳記念に挑戦する(突然の)予定は諦めて、ノンビリ温泉に浸かることにした・・・ しかし、「すみません、まだ準備が出来てません。朝7時にお湯を抜いて今掃除して貯め始めてますが、10時になりそうです」と女性の声・・・ あと、一時間以上もある。

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壊れた靴を脱いでみるとやはり相当ヤバそう。右だけでなく、左もその時までにパコパコ言い出していたが、何となく、前の方までヤバそうな雰囲気だった。変な具合に足を庇って歩いたので少々足が痛く、早く温泉に入りたかったので相当悲しかった。そしたら、先ほどの女性が・・・ 「女湯にどうぞ。男湯はまだですし、こんな早い時間に女性のお客さんきませんから・・」

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ということで、「お、女湯に入って良いんですか? もし女性が入ってきたら犯罪じゃないですか? 中年医師M、女湯侵入・・・の報道とか嫌ですよ」と言いながら、「誰かはいってこないかなあ・・、でも中高年じゃ嫌だなあ・・」と一人ほくそ笑みながら二度とないであろう「女湯独り占め」体験をエンジョイした。窓からの大船山の景色が美しい。展望テラスにフリチンで出てみたが、誰かに見られそうで縮み上ってしまった・・・というのは冗談で、風に吹かれて程よく靡いていた。

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うら若き女性はとうとう入ってこなかったが、高原の女湯を堪能して帰路に就くことにした。帰路と言っても下りではなく登ることになる。靴がもう長くは持ちそうもなくて、下手すると底が抜けて木の根っこが刺さってしまいそうな感じだったので、同じ道は通らずに、途中に平坦な砂地の北千里浜や車道が利用できる別の「すがもり越ルート」を選択した。

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しかし欠点もあって、法華院と北千里浜の間が少々(靴が壊れてると)きつく、すがもり越を越えても下りはガレ場で木の根っここそないが小石が靴底にどうか? そして、法華院から200m登り、1500mの峠を越えねばならない。でも、まあ行きと景色も違うし、靴と足が最も重要だし・・・そこが考えられる最善のルートであろう。ドキドキ心臓が高鳴るのと靴底を気にしつつ振り返ると、坊がつると大船山・平治岳は美しかった。今度ツツジの季節にまた来たい、良い靴で・・・

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もうじき心臓も靴も完全に壊れるぞ・・・と心配していたら北千里浜に到着、平らな道の先に硫黄山の噴煙が目前に現れた。そしたら急に歩きやすくなった。平坦な砂地だからなあ・・・と思ったが、さにあらず。とうとう右の靴底が完全に離脱してしまったのだった。軽くなったはずである・・・

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砂地だから分かりにくいが、左足も先ほどの急な登りで風前の灯のようだ。果たしていつ靴の底が抜けて、血だらけで歩きだすのか??? こうなると、まるで「足袋」を履いての修行のようだったが、草鞋が無い分悲惨だった・・・何かの罰が当たったのか??

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実はこのまま経験のある中岳に挑もうか?と思ってもいたが、靴底が離れては無理と完全に諦めて、北千里浜からすがもり越へのガレ場を登りだした。悲しかったなあ、こんな悲惨な状況で天候も悪くて遭難して死んだら・・・あすから家族も従業員も患者も困るし、高額納税者が死んで市や県も困るだろうに・・・知らせる術がない、ずっと携帯が圏外なのだ。

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そんな気持ちで、この有毒ガスで心地好く死ぬかも?と硫黄の煙を眺めていたら・・・ ちょうど峠の一瞬だけ携帯が通じたのか家族から数時間遅れのメールが届いた・・・「連絡取れないけど、どこにいるの? いま何してるの? 帰ってこない方がいいとはいったけど、他の女性のところには決して行かないでね・・」 少しニュアンスが違うがそんな心配のメールだった。

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峠を越えて少ししたら電波が届きやすくなって、「今、久住の山の中だよ・・」と、上のピンボケの写メールした。

妻からは・・・「あなたが良い休日を過ごせてうれしいわ。気分良くリフレッシュして仕事ガンバって。でも、まだ未亡人になりたくないので、もし山に行く時は大口の生命保険に入って行って・・」と返事が来た。

子供からは・・・「急に山に行くとしんちゃんみたいに危ないらしいよ。死んじゃ嫌だよ・・」と返事が来た。

 

まあ、靴は見たことも無いような悲惨さで、結局すごもりを越えたあたりで両方とも靴底が脱落し、足袋のような布底のスニーカーで計7時間ほど山歩きをしたが、よく無事で帰って来たと思う。天候に非常に恵まれ、早朝に出発して心に余裕があったからだが、もし反対ルートだったら足の裏が血だらけだったろう。やはり靴は大切だ・・・今度きっと買おう・・・でも今度行けるのは一体いつなのか? また30年ぶりなら80歳になるぞ・・・ でもまだ登れるか?

 

そんなこんなで久しぶりの久住・・・楽しかった。

法華院温泉のパンフレットにこうあった・・【現代社会でたまったストレスを発散し、鋭気を養い、リフレッシュして、下界に降りる。鈍化しつつある視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚の五感を研ぎ澄ます。そのための一助になればと山荘を営んでおります。山が与えてくれる恵みに感謝し、くじゅうを満喫してください】・・・ハイハイ、満喫しましたよ。

 

読んでくれてどうもありがとう