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お鉢廻りへ・・・

名峰富士山の山頂にも「お鉢廻り」があるそうですが、下山中に聞いた経験者の声では、名峰由布岳山頂の「お鉢廻り」は富士とは比較にならないスリリングなコースのようです。「お鉢廻り」の最中の休憩中に聞いた他の登山者の声では、体力的とか難易度としては凄くはないけど、転がり落ちそうな一流のスリルが味わえるコースだそうです。

行く前に知っていたら「お鉢廻り」には行かなかったかもしれませんが、幸か不幸か行った後で知りました。しかし、恐らく昨日は年間で最もコンディションが良かった一日でしょうから、無事にこうして先ほど本日三度目の透析室の回診を終えてブログを書くことが出来ます。あとは院内で22時過ぎまで仕事するだけです・・・

ゆっくり歩いて決して階段昇降時の姿はスタッフや患者には見せませんので、恐らく誰も僕が昨日危ない目にあったことは知らないでしょう・・・、ということで今回は本日3記事目、「お鉢廻り」をどう読者に伝えるのかを苦心しましょう。

 

さて、「お鉢」というのは、富士山と同じく由布岳が火山であって噴火口の跡がすり鉢状になっているから名付けられているのでしょう。しかし、富士山とは全然似てません・・・ギザギザです。上の地図の赤い線、上の丸い輪が「お鉢廻り」コースで、西峰から東峰まで40分と書いてはありますが、調べてみると多くの経験者が60分はかかっているようです。僕はかなり途中で休憩を挟みましたが、80分位かかったと思います。

忘れないうちに書いておきますが、この「お鉢廻り」・・・もし数か所ある難所で「鉢合わせ」したら離合するのは危険だと思います。昨日の感想では、西峰から東峰の方向が登りに難所が多く楽しめそうで、出来れば一方通行が良いんじゃないんでしょうか? 数名すれ違いましたが、90%はその方向だったようです。逆方向から来た若い女性、下りの難所の連続に泣きそうな顔をしていました。

 

さて、行くと決めたのは良いんですが、何となくルートを迷いそうで・・・あの北は大崩落の場所ですし。西峰山頂で他の上手そうな登山客の動向を観察しました。大体、早朝から登ってくる一人の人は上手そうにみえます(僕は別ですが)。

まず若い4人組が確実に行きそうです。こいつらの後に続こう・・・と思っていたら、別の一人の男性が先に黙って行きました。そして、もう一人の男性もスルッと行きました。4人組も支度完了して続きます。そして、僕も自然体で・・・落ち着いた表情で後を追います。何となく良い感じです。

 

最初は朝露に濡れた場所でスリップしないかだけを注意して追いついて進んでいましたが、最も下ったあたりで周囲を眺めているすきに少し置いていかれそうになりました。実際、ここから先は岩場の難所が連続します。何となくルートはわかるんですが、前にいる人に続くのが最も確実です。尾根状ですから両側はかなり落ちています。

イザ登り始めたら、やっぱり難しい。足をかける場所がなかなかなくて、かなり思い切って上げたり、膝をかけてよじ登る工夫が時々必要になります。また、背中のナップサックも岩に当って邪魔に感じる場面もあります。

その時までズボンのポケットに、「財布、カード類、カギ類、デジカメ、携帯電話」などを入れながらでも(犬でも登るくらいですから)西峰登山は容易でしたが、ここから先はポケットの中身が邪魔です。仕方なく立ち止まって全部をナップサックに仕舞い込み、写真は休憩のときだけ取り出して撮影しました。従って、一番の難所は全く写真を撮ることが出来ず残念でした。

 

とにかく初心者である僕にとっては過去最難関のコースでした。確かに難しいというより両側に転がり落ちそうで怖い感じでした。そうしてるうちに、先に行った人々の姿が見えなくなり、声しか聞こえなくなりました。でも、ちょっとそのあたりは立ち止まりたくない場所でもあり、這いつくばる様にしながら周囲を良く眺めもせずに緊張しながら乗り越えていきました。

 

そして、ようやくちょっと休める場所に来てデジカメを取り出して先ほど通過した場所を撮影しました。二枚上の写真の岩の上に人が2名這いつくばって越えているのが分かりますか? 上の写真では青い上着の人が歩いています。「ナイフエッジ」と呼ばれる有名な場所みたいです。でも、その頃には先を行く人の声も聞こえなくなりました。

 

そうして、一心不乱に「剣が峰」と呼ばれるピークで休憩することにしました。疲れてたのは当然ですが、そのすぐ先の岩場が大きすぎてルートが分からず、念のため後続者を待って先に行かせる作戦をとりました。あの先が東峰です。で、気を抜かない程度にノンビリして、先ほどまでいた西峰のゴツゴツした姿を眼に焼きつけました。

 

で、そこへようやく後続者の4人組がワーワー言いながらやってきました。どうやら一人の女性が、「だまされた。楽なコースと言ったじゃない。これスリルあり過ぎ。ウソツキ・・」とリーダーの男性を責めています。分かります、その気持ち・・・ しかし、そう責められた男性陣は女性に気を使って小休止をとることになりました。一旦先に行こうとしつつ止めたのは、目の前の大きな岩場を僕と同じく心配したのかもしれません。何となく、僕が先に行かないと行けなそうな雰囲気になりかかったときに・・・救世主現る、でした。

 

単独行の男性が小休止中の僕と4人組の間を縫って先に岩場に取り付きました。そして彼(頭に青いタオル、白い上着)が岩をどう越えるかを見定めてから、まず4人組が、そして僕が予定の行動(小休止)だとばかり続きました。

 

実際、そこを越えれば後はそれほどではありませんでしたが、こうして登った東峰の頂上には老若男女、子供たちがはしゃく姿がありました。既に12時近くになっていましたが、多くがそこで昼食を楽しそうに取っていました。携帯ガスでカップ麺を食する人が凄く多くなったことを感じました。眼下にはすっかり雲が晴れた湯布院の街がきれいに見えています。

 

僕は28年振りのその眺めよりも、以前は考えもしなかった「お鉢廻り」で辿った岩場を瞼に刻んで痛くなりだした足を引きずってゆっくりゆっくり下山して行きました。まだ、数名(赤い点)がナイフエッジに取り付いています。僕もまたここへ戻ってくるのでしょうか?

余りにも遅い下山で、車に戻ったのは14時15分でした。7時間も山中を巡っていたことになります。でも、楽しい日曜日でした・・・

 

読んでくれてどうもありがとう