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命の洗濯の旅(その2)

数年越し、実際には30年前に片想いの彼女と鴨川の畔から「大文字送り火」を眺めた時からずっと・・・あそこに登ってみたかった。実際に登る事を意識したのは森見登美彦さんの「恋文」という小説を読んでからだろうか? 案外かんたんに登れるんだな・・と強く意識するようになった。

ここ一年の間に3度ほど京都に行ったが、比叡山には登ったものの、残念ながら天候に恵まれずに大文字山は縁が無かった。とはいうもののブログ検索などで登山というか散策のイメージはつかんでいて、天気が素晴らしいと判った瞬間に僕は仕舞い込んでいた「トレッキングシューズ」を履いて最終の新幹線に飛び乗ったのだった。

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そこで予想以上の絶景を堪能したのは朝9時・・・始発で来たら絶対に不可能な時間だった。土曜の夜(日曜の未明)は・・・酔っ払いの診療依頼の電話で散々だったが、早朝登山が可能になったのでヨシとしよう。

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さて、次の目的地に向かって「大文字の左払い」づたいに下山を開始・・・しかし、あまり標識もない場所で、地元の人に何人も「法然院への下山道」を尋ねたが、なかなかうまく伝わらない。ある60前後のおばちゃんが、『そこを下りて行って・・・行けば判るわよ。でも判りにくいから・・・慣れてないなら あまりお勧めしないわ。』と判り易く教えてくれた。慣れてないけど行きたいので聞いたんだけど・・・

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結局は、おばちゃんの言葉を信じられずイキナリ迷ってしまい、出くわした70前後の叔父さんから、『そこを行って右へ曲がれば道なりだけど・・・木が切られてて判りにくいから曲がり口まで一緒に行ってあげるよ』と、実に親切なオジサンのお陰で多額の借金を残して山中で死なずに済んだようだ。こんな重たいパソコン入りの鞄を下げてスラックスで・・・ 死んだら借金苦で入山自殺した哀れな開業医と報道された事だろう。そして僕は「墓地」に向かった・・・

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僕のブログを検索すれば「法然院」の記事が10以上はあると思うが、昨年の同時期も法然院を訪ねていた・・・裏山からではなかったが。でも、山から下りて行くと数年前に除夜の鐘をつかせてもらった鐘楼の脇を通り趣深い墓地へと直接入る事になる。谷崎潤一郎夫妻の墓地には桜が美しく咲いていた。広い山裾の墓地に咲く花木はここだけ・・・ 僕の夢はここに眠ること・・・ ささやかな夢・・・

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この法然院の隠れた楽しみは大文字山(善気山)に降る雨を集め湧きでる泉からの善気水で沸かした「ほうじ茶」を戴くこと・・・ でも今まで何度訪問しても汲み上げる場面を見たことはなかった。しかし、今度はスーツ姿の若者が大きなヤカンを持って実際に泉の水を柄杓で汲み上げる場面に遭遇して・・・嬉しかった。本当だったんだ・・・

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そうして美味しい善気水のお茶を飲んで、最も好きな風景・・吉田山遠景・・を眺めて  椿の花を愛でて・・・ それが僕の法然院を訪れる際の儀式の様なもの・・・ 梶田真章貫主の法話を静かに受け止めるための儀式・・・

そういえば、昨年はホルモーを探して吉田山に登ったのだった・・・ 

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これで何度目だろうか? 毎回似たような話ではあるが、聞く度に新たな発見があり理解が深まる。仏教者とは言い難い僕にとって、宗教を理解することは「患者と言う人間・人格」を理解し寄り添うための必要なもの・・・ 法然の浄土宗に限らず、様々な宗教を知り理解することは医療の役に立つと思っている。今度も一時間以上の熱い法話を聴き終えた後は、すがすがしい気持ちで法然院の境内を後にした。

裏山から境内に入り表から出て、桜で賑わう哲学の道へ下りて行った・・・ まだ12時だった    続きはまた

 

読んでくれてどうもありがとう