Welcome To The Heartland

Back To The Street ふろむ診療所

苦行か 修行か 行楽か ①

ちょうど一年前に僕は20年ぶり位に久住山系で登山を楽しんだ。ただ、靴底が剥がれ、もう少しで救援者を呼ぶ羽目になりそうな悲惨な旅であった。興味があれば一年前に書いた【秋の行楽日和】などの記事を読んでほしい。

さて、今年も同じ日に同じことをしてしまった。多分、バカである・・・

今日はそのバカ者の生きザマを記録しとこうと思う。

 

9月18日土曜日、好天ならばと秘かに山行きを狙っていた僕は16時の診療終了後も様々に残業をしていた。事務員も2名が残業をしていた。病院の残業が一段落し、20日の敬老の日に地元の敬老会で講演をして欲しいとの要請を17日に貰っていたので18時頃からその準備を開始していた。どうやら先約の講師がドタキャンしてご近所の僕にお鉢が回ってきた模様だが、介護関係や何かで地元老人会とは何かとご縁をつなげておく必要もあって講師を引き受けた。

19時、ある患者さんから「ドキドキして胸が痛む。不整脈も出ている」との時間外診療を求める電話だった。この患者さんのこんな電話とは既に14年ほどつきあっているので電話に出た以上断り切れず時間外診療を行った。診てあげるだけで落ち着く場合も多く、また診てあげないと状態が増悪する高齢者も少なくはない。それほど人の体調はデリケートなものでもある。

20時、その患者が安心した表情で病院を後にした頃、残業してくれていた事務嬢も帰宅した。インターネットで山の天候を調べると明日は絶好の登山日和になりそうだ。早く仕上げないと・・・ そして、僕は再び敬老会の講演の準備に取り掛かって、何とか23時に一応の原稿が出来上がった。しかし、推敲が必要で僕は印刷した原稿をリュックにねじ込んで病院を後にした。

ちょうど一年前の今頃の事を思い出し、コンビニに立ち寄って水や食料を買い込んだ。そして、LED懐中電灯も買い込んだ。9時間近い山中の行程を予測していたので帰路の樹林帯での日没を懸念しての買い物だった。まだ山で死ぬわけにもいかないから。

 

フォークルやナターシャのフォークソングを聞きながら愛車で深夜の高速道路をひた走りに走った・・・ 少々疲れがたまっていたので安全運転には気を付けたのだが。

 

そして数時間後、去年と同じように深夜に山懐に抱かれた高原の駐車場に到着した。昨年のブログ記事を読み返すと・・・深夜の気温10度、朝方5度、寒さで眼を覚ましている。同じ日の今年はと言うと・・・17度、朝になっても17度だった。やはり猛暑だったのか・・・

 

九重の 峰に輝く オリオンの 赤き瞬き 心貫く

ちょうど山の端からオリオン座が昇ってきている時だった。左上のペテルギウスがチラチラと赤く妖しく輝いていて、最近仕事で苦悩してへこたれそうな僕の心を魅了してくれた。とっても美しかった。

峰々に 抱かれ仰ぐ 星空に 我が悩ましき 心静まる

 

過ぎ去りし 四半世紀の 時戻し 明日は挑まん あの頂きに

ちょうど30年ほど前、僕はこの同じ深夜の駐車場で一夜を過ごし、明日向かう山を同じルートで往復して戻ってきたことがあった。それはYちゃんの失恋の痛みを癒すためというより自暴自棄の危ない山行きだったと今でこそ白状出来るのだが、あれから30年後の僕には、当時の若さとか激情とかナイーブさとかが羨ましく思える時が度々あって、どうしても懐古的な気持ちが生じるが、それは更年期障害の一つの病状なのかもしれない。

そして僕は寒さも感じないまま車中泊の人となった・・・(続く かも)

 

読んでくれてどうもありがとう