Welcome To The Heartland

Back To The Street ふろむ診療所

秋の長い一日・・・

9月最後の日曜日、もしかしたら僕の「最後の休日」になるかもしれない日曜日・・・

と言っても、明日この世とお別れするのでもなく、毎日同じような忙しい日々が淡々と続くだけなのであるが、とにかく来週からは年中無休で誰か職員が勤務し始めるので、事実上全くの休日と言えるのはこれが最後になるかもしれない。勿論、開業してこれまで精神的には休日など一日もなかったのであるが・・・

 

さて、そんな秋の感傷が僕を再び山へ誘ったようだ。先週の足の痛みからようやく解放されたばかりと言うのに、天気予報で日曜日が晴れそうだ・・・と聞くや、土曜日の夕方にいつもの調子で急遽計画を練った。

先週は狭い車内泊で老骨がガタガタになって大船頂上に辿り着けず撤退を余儀なくされたので、今回はネットの世話になって宿を探すことにした。

 

土曜日、例によって夕方6時まで仕事をして(先週は23時までだったが)、天気予報を再度眺め、楽天宿泊サイトで「素泊まりホテル」を発見、当日19時に予約を入れた。高速道路をソフトバンク・杉内投手の好投を聞きながらスッ飛ばして、予定通り21時に九重のホテルに到着。既にフロントは警備員さんの対応になっていて、「明日は山に行くので6時に出たいのですが・・・」というと、「職員が6時に出勤しますので出来れば6時少し過ぎにしてください・・・」と言われたが、杉内の逆転優勝を呼び込む完封勝利後の嬉し涙を観て、静かな露天風呂を楽しんだ。たった一人、山の冷気がアソコに心地好い。明日は天気になるだろう・・・

 

一夜明け、朝6時・・・ 目指す方向の山がクッキリと見える。幸運にも晴れているが午後には曇りになるだろう。一刻も早く出よう。朝6時15分、昨夜の警備員さんと出勤直後のスタッフに見送られ、少し走って牧ノ戸峠に車を停める。少し腹ごしらえをして6時30分、おもむろに登山開始。昨年は10月25日の紅葉の時だったが、今日は夏山と紅葉シーズンの間の静かな登山が楽しめそうでノンビリと歩を進める。オバちゃん族のウルサイ話声で混雑した山は苦手だ。喧騒を聞くために登山する位なら、コッソリ浮気でもしてた方が100倍楽しいだろう・・・と言っても、そんな勇気など無いのだが。

先週の雨ヶ池コースは樹林帯を通るが、牧ノ戸コースは展望のよい稜線を歩くため気分がいい。今日は曇り気味で日差しも気にならない。風もあり、標高差などの点でも初心者向きでノンビリムードが気分転換にはちょうどいい。紅葉が無いと昨年の1割程度の登山客で静かなものだ・・・

f:id:murasawatakehiko:20150922102109j:plain

平坦な千里ヶ浜には今回は見向きもせずに星生山にまず取り付く。去年と逆コースだが、この山は岩場の多い稜線を適度なスリルで縦走出来て楽しめる。昨年は小雨の中の危ない縦走だったが今回は乾いていて楽だったがやはり面白い。

f:id:murasawatakehiko:20150922102121j:plain

 

久住別れへ程なく到達し、昨年登った久住山(1787m)には向かわず今年は九州最高峰となる中岳(1791m)に向かった。昨年も久住山のあと向かおうとしたが霧と小雨で断念していた。この山は35年前の高校のキャンプで登ったはずだが全く記憶が蘇ってこない。なんとなく違うのだ・・・1700m地点の御池など記憶のどこにもない。あの日僕らは一体どの山に登ったのであろうか? 完全に登りの記憶は飛んでいるが、下りは法華院温泉への道が崩落で途絶えて皆で慌てたのは良く覚えている。しかし、登りの雰囲気が全く・・・違うのだ。

あの日、ガスで頂上付近は真っ白だったから想い出せないのかもしれない。頂上近くの雰囲気は中岳ではなく久住山の様でもあったが、法華院温泉との位置関係は中岳の方だろうが・・・

 

まあ、初めて見るような御池を回りこんで中岳に立つ。なんとラブラドール犬が登ってきた。ちょうどガスがかかり一時に360度の展望はなかったが、それなりに楽しめた。先週引き返した大船はずっと雲に隠れていたようだが。

下りは、御池の逆方向へ回り込むようにして急な登りを天狗ヶ城(1780m)へ向かう。ここからの景色は中岳や久住山より良いだろう。

f:id:murasawatakehiko:20150922102135j:plain

 

天狗を下りて・・・再び星生山を逆方向に縦走した。頂上付近の岩場がルートを間違ってヒヤリとしつつ昨年から三度目の星生へ。由布のお鉢巡り程の高度感が無い分、スリリングの質は異なるが、千里ヶ浜を歩く気にはなかなかなれない。そして、驚いたことに岩山をものともせずにラブらドールが後から登ってきた。昨年の由布西岳でも犬を見たが非常に脅威だ・・・人間としての誇りなどズタズタにされた。

f:id:murasawatakehiko:20150922102147j:plain

 

13時30分、無事に下山。紅葉にはまだ早い7時間の静かな山歩きは実に楽しかった。幸いにも携帯電話は鳴らず、翌日も全く足の痛みはなく、先週とは雲泥の差だ。また明日も山に行けそうなくらい元気が蘇ってきた。これなら3時間ぐらい熱い@@@を女性と楽しめそうなくらい若さに自信が出てきた・・・(笑)

 

街に戻り17時・・・僕は可愛い受付の女の子がいる美容室でヘアカットをしてもらっていた。どう鏡の中の自分を見てもロマンスグレーは渋くてカッコいい。おまけに多趣味でスポーツカーで・・・これじゃ、絶対に女性にもてないはずがない、お腹さえ出てなけりゃだけど。

 

さて、家で一休み、ソフトバンク優勝の美酒を共有することもなく早めに大人しく寝て明日からの強烈な仕事に備える。

 

夜23時・・・枕元の携帯電話が鳴った、透析患者からだった。さては中二日で心不全か? という勘は見事に的中した。日曜日、深夜の透析患者の心不全・・・さてどうしたものか? 透析すれば簡単なのだが。

スタッフの携帯に電話をして対応を協議・・・

当院で至急準備しても透析開始可能時刻は日付をまたいだ午前2時以降・・・透析をし出したら6時過ぎて夜が明けるようだ。そうなると消毒作業などが通常業務に間に合わなくなる可能性がある。

電話では家族は慌てまくっていた。もし病態が心配通り重篤なら、やはりその患者が透析導入された大学病院へ紹介すべきか? 月曜未明の緊急透析を夜を徹してやる根性はスタッフ皆が持っているが、それでも軽く考えての失敗は許されない。電話では過去に例が無いほどに苦しがっていてすぐにでも救急車を呼びたいとのことだった。

f:id:murasawatakehiko:20150922102203j:plain

ダメでもともとで大学病院の救命センターに連絡すると、OKとのこと。透析専門医は不在だったが有り難いことだ。医局の後輩やその兄弟とかが居てくれて快諾してくれた。

待機スタッフを診療所に呼び出して、紹介状などの情報を書かせFAXで救命センターに送ってもらうことになった。僕は診療所へは向かわず依頼先の大学病院へ急行して、とりあえず口頭で担当チームに推測される状況を説明しにいった。

幸い、救急車より先に到着でき、事前情報を救命チームに説明できた。電話だけでは情報は充分とはいかない。特に重症であればあるほど難しい。そこへ、患者と夫人が救急車で到着、やはり想像以上に重症だった。もし僕らが自分らで治療開始していたら無理だったかもしれない。

日付が変わり深夜25時・・・不運にも診療所に呼び出された看護師2名が手分けして僕に代わり紹介状などを準備し、FAXで送ってくれた。日曜深夜、彼女らも家庭があるのに頭が下がる。

 

一応、僕も不足する患者情報を補うために救命センターへ顔を出したが、少しは役に立ったかもしれない。僕が大学や基幹病院の救急部で働いていた時、開業医で患者と共にやってくる開業医は少なかったし今も少ないだろうが、これが自院で対応できない時の僕の決めた開業ルールでもある。

26時過ぎ・・・ようやく患者も落ち着きを見せ僕も戻ってきたが、他の家族に心配かけまいと久しぶりに診療所に泊った。

 

今週は車内泊ならぬ病院ソファー泊。山登り後だったし、かなり疲れた・・・

充実した実に「長い秋の1日」だった。

 

読んでくれてどうもありがとう