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学会旅行 ⑤ 上野へ

同じm3ブロガー透析専門医でも、真面目に学会に3日間も参加し発表までしたらしい福島のスズキ先生とは違い、趣味と異性の世界に刹那的に生きる南の島のmurajun先生は、なんと学会会場滞在時間わずか200分間にして、急ぎ桜木町駅からJR京浜東北線快速電車に飛び乗って約45分間で花の都東京の上野駅にて迷い子になっていました・・・

なぜか鶯谷駅には少々詳しくとも上野駅にはチト疎い先生は、あと10分しか余裕のない時刻なのに、どうしたら正しい出口に行けるのか? ウロウロと田舎者の姿を晒していたのです。意を決して見知らぬ美しい女性に「東京文化会館へはどの出口でしょうか?」と聞きますと、「もう一度ホームに戻って3階に昇って下さい。私も向かうところです、ご一緒しましょう・・・」とのことで、その美しくも上品な女性に導かれるように東京文化会館にギリギリのタイミングで到着しました。

 

ほんの数日前にネットで購入したMET来日公演のチケットを握りしめ、その美しい女性と隣の席に座れることを願いましたが、彼女はS席に、僕は3階のB席へと別れなくてはなりませんでした。運命の悪戯でしょうか? こんなことならもう少し奮発してS席のチケットを購入しておくべきでした。

原発事故で一時は開催が危ぶまれたMETの来日公演は指揮者や主役級の変更もあってかかなり空席が目立ちました。まあ、一番の原因は高額なチケット代なのでしょうけど、東京にはこの程度(S席62000円)のチケットなど平気な人々が沢山いることを知りました。僕は妻が「父の日だし、思う存分楽しんで下さい」と自由時間をプレゼントしてくれたので思い切って横浜の学会を脱走し、正午から上野の森でオペラ鑑賞と洒落込みました・・・

 

僕のことを「お下劣なエロ記事ブロガー」だと勘違い?している人が多そうですが、真実の姿は高尚なる自由人・趣味に生きる人であって、時にはオペラも能も狂言も落語もミュージカルも京劇もフラメンコもタンゴも楽しむのであります。ですが、ヨサコイソーラン節的なヤンキーダンスは嫌いです、ごめんなさい。

さて、学会場から新調した高級サマースーツに身を包んだ田舎の開業医はたった一人で3階席の前から2列目に座りました。なんと隣は女性が一人・・・お顔を拝見してお声をかけるのは遠慮いたしました。同世代のようでしたが・・・

今日のオペラ演目は、ドニゼッティーの作品【ランメルモールのルチア】です。スコットランドが舞台のその内容は【ロミオとジュリエット】にかなり似ていますが、1835年頃の初演で今まで続いていますから名作なんだと思います。

 

何を隠そう、実は僕自身は【ランメルモールのルチア】は三度目なんです。最初は当ブログで記事にしました(スカラ座で検索を・・)が、伊太利・フィレンツェの学会に発表に行った際に、ミラノのスカラ座の素晴らしい席で観賞しています。この年、1992年のスカラ座のマリエラ・デヴィーア演じる【ルチア】は名演ということでDVDにもなっているようです。イタリア語も粗筋も判らず観たのですが度肝を抜かれた衝撃でした。

  

二度目は米国・フィラデルフィア留学中に、研究もそこそこにMETのシーズンチケットを購入して月に数回ニューヨークまでオペラ観賞に出かけていた時期がありました。ミュージカルよりオペラの方に傾いた一時期でしたが、そのシーズンの【ルチア】はフランコ・ゼフレッティのMET新演出による初演で、ざん新過ぎて散々な出来でした。

そのせいで今度のMET来日公演も心配していたのですが、もう20年近く経過していますから演出も改善されたと信じ南の島から遥々参加した訳です。もちろん、学会参加で旅費が経費で落ちなければ上野には行きませんでしたが・・・

しかし、今日この東京文化会館の中で、スカラ座とMETで【ルチア】を鑑賞した人が何人いるだろうか? もしかしたら・・・、僕の鼻は3階席からステージに届きそうになるほど伸びていました・・・

初体験でしたが、台詞の字幕スーパーってイイですね。三度目でしたが、最も理解しながら観賞出来、何度か涙が頬を伝いました。主役のダムラウも期待以上にヨカッタですね。幕間のロビーホールもすごく賑やかで素晴らしい公演であることが反映された感じでした。窓の外には上野公演を散歩する人々や子規記念野球場などが見え、「東京っていいなぁ・・」と田舎者の悲しさをおもいしらされた瞬間でもありました。

 

そんな夢の様な3時間15分はあっと言う間に過ぎ去りました。カーテンコール鳴り止まぬ中で、急いで僕は3時30分に上野駅から再びJR山手線外回りの人となりました。

そんなに急いでどこへ行く? と訝しがる向きもござんしょうが、飛行機に間に合わなくなるからではござんせん。これから「4時に有楽町で逢いましょう・・・」なんであります。誰と逢う? もちろん、最愛の人との数カ月越しの逢瀬であります・・・ 運命の3月11日の翌々日に逢うはずだった最愛の人・・・ 

 

いまから急いで行きます、まっててくださんせ・・・続く