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【 蠅の帝国 】

なんともまぁ、凄いというか 素晴らしいというか、恐らくは僕の神様「帚木蓬生」先生にしか書けそうもない名著の誕生である・・・ 【 蠅の帝国 】 実に意味深なタイトルである。

初夏の帚木先生の講演会で、次回作は「邪馬台国を描いた作品」を執筆中とのことだったが、あの頃は既にこの作品が出来上がっていたのであろう。「邪馬台国・福岡説」はまたの楽しみにとっておこう・・・

 

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終戦の日」である8月15日の前後は、毎年昭和20年当時を想い出しながら本を読んで過ごす事が多い。昨年は浅田次郎氏の【終わらない夏】を読んだが、「終戦の日」の後にソ連が侵攻してきた歴史をやるせない気分で読んだのを想い出す。あれも浅田節の名著だと言えよう。

 

帚木先生には【逃亡】という第二次世界大戦の終戦を描いた名作があり、いまだに僕の中では帚木最高傑作なのであるが、この【蠅の帝国】は僕ら医師にとってはひと際味わい深い本だと思う。

書き下ろし短編集で今年の終戦の日に合わせたかのような作品だが、一つ一つに終戦前後の国民と軍医との魂が込められていて、凄く拡がりを感じさせる作品である。一人ひとりに独自の物語が存在し、アジアのいたるところで様々な苦悩を抱きながら戦争は終わっていった現実を、新米軍医の眼を通して描き切った帚木ワールドとでもいえる名著である。

もちろん、医師でない人、若い人にも是非お勧めしたい・・・

 

終戦の日」の後の物語・・・多くの人に知って欲しい