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映画版 【神様のカルテ】

日本の新しい総理大臣が決まろうとする前日、僕は自慢の美しい細君と可愛い次女とともに映画を観に行った。前に一度ブログに取り上げていた大絶賛のお薦め小説 【 神様のカルテ 】 の映画版が封切られていたからだが、安直な監督が量産されている昨今の邦画にそれほど期待していた訳ではない。

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医師志望を口にしだした高校生の次女の夏休み読書感想文に「これ読んでみたら・・?」と奨めてみたら珍しく一気に2冊とも読みあげてしまったようで、その娘が映画版を観たがったので一緒に行くことにしたのだ。もちろん、当ブログの存在は知らないし、過去の記事を教える訳でもない。

愛する美しき細君は邦画を好まないが、最近この小説の中に登場する「白馬錦」という純米大吟醸を知人に頂いたので急に興味が出たらしく、一緒に観に行くと言い出した。小説には他にも「佐久の花」や 「飛露喜」や 「呉春」や 「夜明け前」などなど様々な地酒が登場するので、各種アルコール類が亭主以上に大好きな細君はスッカリ騙されたようで、映画版には日本酒のシーンはほとんど登場しなかった。住まいや居酒屋での酒を酌み交わしながらの「癒しの会話」は悩める青年医師や若者達にとって実に大切な要素であっただけに省いた監督の意図が判らない。

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まぁ、その他色々あって予想どうりの映画化失敗作なのであるが、せめて監督や脚本家の力量とは無関係な美しい松本の町並みとアルプスの風景など四季折々の自然の彩りを鮮やかに見せて欲しかった。信州と言う舞台こそ命だったのに、肝心のシーンも生憎の曇り空で空気の透明感もなく、相当スケジュールの関係からか急いで撮影したのであろうが、残念至極であった。

 

さて、まあ期待もしてなかっただけに映画版は映画版として評価したいのだが、こんだけ文句並べたクセして・・・終盤で泣いてしまった。隣の次女も、その隣の美しい細君も泣いていた様で、「前半は寝てたのに、途中からパパが泣いていてビックリした・・」とからかわれてしまった。

まあ、実際の医療の現場はあの数倍も厳しいし、少なくても数十人の臨終にどの医師も立ち会ってきただろうから共感するのは自然であろう。ただ、男として子供や細君の横で泣くかどうかは別の問題ではあるが・・・

 

どう考えても 【 神様のカルテ 】 は小説の方が100倍良質だと思う。ただ、一点だけ映画も良かった・・・ 宮崎あおい

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映画が跳ねての帰り道、娘が「パパは ママと ハルさんはどっちがイイ? あんな奥さんだと癒されるでしょ? 好きでしょ? あら、悪いこと言ったかしら?」と盛んにけしかける。細君は細君で、「@@さん、あんなんがいいの? あれじゃ、結婚したらフヤケルんじゃないの? そうなの? あんな風に言って欲しいの? じゃ毎日言ってあげるワ」と畳みかける。

そして二人して、声を合わせ・・・「@@さん、だいじょうぶですよ・・・」と、笑いだすのを必死でこらえて宮崎あおいの真似をする。

まあ、勤務医の時も 大学研究者の時も 留学生の時も 開業医になっても、医師である限りは年に何度も泣きたくなる場面に遭遇するのであるが、主人公の細君(宮崎あおい役)の様な女性が傍に居てくれたら・・・思いっきり泣けるだろうなぁと思うのである。

一人で泣くのもいいが、優しき細君の横で泣くのも良いんじゃなかろうか?

 

と言う訳で、風景写真家でもある細君を宮崎あおいが演じるのは超はまり役だと思うのであるが、柔らかさと対極にある撮影旅行中のストイックさが表現されていなくて、そこだけは残念至極である。

 

読んでくれてどうもありがとう