Welcome To The Heartland

Back To The Street ふろむ診療所

不審者、江戸を食す④

某製薬会社の経費で飛行機に乗って高級ホテルに宿泊して、さんざん足を棒のようにして南方仁先生の跡を追った「不審者、江戸の旅」も日曜の17時を過ぎ、そろそろフィナーレを迎えようとしていた・・・

一連の記事を読んでいただいた方ならご存知のように、僕には美しい妻がいて、その妻は「お土産要らないから江戸前の鮨をつまんで帰ってきて、土産話を聞かせてちょうだい・・」と言ってくれた。しかし、食事代は残念ながら自前である。

昨夜の夕食はコンビニから買ってホテルの部屋で淋しく食べ、今日の昼は講演会後の懇親会で無料でビールまで流しこんだ。恵比寿なのでサッポロビールだったが、東大病院のレストランで「お粥」に支払っただけで、幸いにも財布の中身は福沢諭吉が何人も残っていた。これだけ有れば鮨屋から放り出されることもないだろう・・・

 

鮨屋の話を切り出したのは妻だったが、東京の有名食事処に顔が広い妻の友人が誰もが知る超超有名店に電話してくれたが、あいにくと早めの時間は満席だった。そこで、次なる名店を紹介していただいたので銀座に向かうことにした。

田舎医者にも江戸で江戸前鮨を食するデビューの日がとうとう到来した。大体、銀座で食事なんて「ライオン・ビアホール」に独身の頃に旅先で知り合った女性と一緒に行ったことくらいしか想い出せないのに、いきなり高級鮨屋とは・・・きっと高いんだろうなぁ?と緊張感が走った。

 

で、そのライオン・ビアホールから程近い裏通りの小さなビルの地下にひっそり佇む【鮨かねさか】という店にて美味しい江戸前鮨を戴けることになった。

 

そこでも僕は【不審者】であり続けてしまった・・・

まず、予約は知人がしてくれた・・・

場所が判らず、近くから電話して道案内をしてもらった中年男性一人客・・・

ただ江戸前鮨の名店ということしか知らず、カウンター特等席で常連さん達に並んで、「かねさか っていう店名は お名前ですか?」と眼の前で鮮やかな手捌きを見せてくれる職人に聞いたら、「ええ、オーナーの名前です」という答え。僕は職人さんを大将(オーナー)と信じ込んでいたが、実は三平さんという人だった。常連さん達は一見の客の不見識にさぞ驚いたことだろう、鮨職人「かねさか」さんを知らずに一人で来店した客に・・・

 

それにしても三平さんも丁寧で見事な手捌きだった・・・ 一人でじっと技に見とれながら本場の江戸前を美味しく戴いた。

途中で姿を見せたオーナーかねさか氏の仕事は更に凄いのであろう。海老蔵とか小泉さんとかが常連だとか・・・

あらかじめ飛行機の時間を知らせてお任せしたので、いい頃合いに胃袋も心も満たされた。19時を少し回った頃に「どこまでお帰りに?」と聞かれ、「@@です」というと皆さんに驚かれてしまった。今夜中に帰りつけるのかと心配されたようだが、余裕で間に合った。

財布の中身は一気に余裕を失ってしまったが、まあ銀座の鮨屋だからそんなものだろう、美味しかったからまた行きたい。銀座のクラブに行けばもっと高くつくだろう・・・

斜め前に僕より白髪の中年が若いオンナと座っていたが、ありゃ多分、クラブの同伴じゃあるまいか・・・?? なにか魂胆もあるのであろう、夫婦者には見えなかった。まあ、嫉妬は止めとこう・・・

 

帰宅して愛するワンコと美しい妻が出迎えてくれたが、「凄く美味しかったでしょう? 羨ましいわァ・・ 今度は一緒に連れてってくれるわよねぇ・・」と、やはりそれが狙いだったらしい。

妻には、「そうねェ、でも いつもの@@さんの方が俺は旨いと思うけどね・・・ どうも江戸前は・・・」と答えといたが、江戸に行ったら次も江戸前鮨を楽しもうと思う・・・ 美しいから

 

【不審者、江戸の旅】、この辺で終わりにします。

南方仁先生をテーマに江戸の旅を行いましたが、一か所だけ往けずに心が残ります。次回は是非、未知なる吉原で野風さんと遊びとうありんす・・・