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浅田次郎 の 【 新撰組 】

いつの間にか「1700番目」のブログ記事を書いている。もう少しで丸5年、「バカ発見器」とも言われるネット媒体でこんなに「皮肉と本音と猥談」を書き続けるとは想像だにしなかった・・・ 

 

さて今宵は「新撰組」に関する本の話である・・・

 

実のところ、最近まで僕はあまり新撰組の事を知らなかったし、それほど興味もなかった。若い時に京都に1年間住んではいたが、池田屋寺田屋も壬生も龍馬の墓も一度も行ったことはなかった。ただ祇園や島原や三条河原には行ったことはある。お茶屋は特に好きである・・・ 話が逸れた

江戸の幕末から明治維新にかけての変容・変革に関しても、史実に関する時系列も 敵対関係も 役者の立ち位置も まるで良く判らず、尊王攘夷やら佐幕攘夷やら開国派やら対列強やらのアレヤコレヤを少しも理解せずに漠然と「維新」を捉えていたのである。今もよく判らないのだが・・・

 

長崎やら長州やら薩摩やら田原坂やらから左程遠くに生まれ育った訳でもなく、今にして思えば、薩摩の、それも西南戦争に散った西郷隆盛(吉之助)や桐野利秋(中村半次郎)などに胸の奥底の感情はより近いのであろう。大久保利通岩倉具視伊藤博文など新政府の中枢を占めた人々とは何となく違う気がしている。

 

むしろ矛盾する関係ながら、薩長連合と相対し堕ちた後の新撰組や攻め上られ降伏した会津・仙台・南部などの東北諸藩の方が、僕に流れる血には近い様な感じだ。

共通点は・・・ 「負け組の意地と誇り」、であろうか・・? 

ただ当然ながら、負けた徳川慶喜など徳川幕府は好きではない。幕府は勝ち続けて自壊していったのだから、やはり勝ち組の「絶対権力者」なのである。この徳川幕府明治新政府など時の絶対権力者というものが常に大嫌いな性分は昔から今も変わらず、従って今の民主党政権も、かつての自民党政権も批判すべき対象でしかない・・・ 権力は腐っていくものである。

 

と、前口上が長くなりましたが・・・ 浅田次郎の【 新撰組 三部作 】 をようやく読みました。結論から言えば、まさに浅田次郎の世界、いずれ劣らぬ傑作でした。

【 壬生義士伝 】は、南部藩の脱藩士族・吉村貫一郎が鳥羽伏見の戦いで敗れ自刃するまでの話であるが、悲しくて素晴らしい・・・

【 輪違屋糸里 】は、土方歳三芹沢鴨を中心に、彼らに関わる女性達の視点が見事に絡み合って、残酷さがまたイイ・・・

【 一刀斎夢録 】は、斎藤一に龍馬暗殺から西郷討伐までを語らせ、時の移ろいと一生の長さを、次世代に語り継ぐ正直さが魅惑する・・・

西南戦争は、陸軍大将を辞した西郷隆盛が自ら作った日本陸軍を成長させ西洋列強と闘えるよう完成させるために大久保ら新政府と仕組んだ壮大な一芝居だった・・・という説が披露されているのだが、なかなかに説得力があり興味深かった。

ますます西郷隆盛に興味が湧くのだが、先日の上野公園で銅像を見つけるのをまたしても忘れてしまった・・・

そのうち、積み上がったままの【 翔ぶが如く 】をまた読んでみようかとも思うが、あまりに長いので躊躇している。