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Back To The Street ふろむ診療所

Happy Birthday

週末以外は家族となかなか一緒に過ごせない貧乏開業医ではあるが、いわゆる仕事中毒という訳ではなく、しかたなく仕事に人生の貴重な時間を捧げている・・というのが正解だろう。

一日24時間、どんなにお金があろうが、どんなに税金を納めようが、全ての人に平等に時間は配られている。ただ、税金を沢山納めるように働けば働くほど、自由な時間は残酷なまでに減ってしまう。頑張れば頑張るほど責任は増え、逆に家族と過ごす時間は確実に減っていく。働かずして税金で暮らす人がより豊かになれるように今日の祝日も当然ながら夜遅くまで働いた。そして例によって「祝日の愚痴」をブログに書きなぐっている・・・

 

さて、お約束の愚痴はこのくらいにして・・・

昨日の日曜日、僕らは長女の誕生日を祝った。実際の誕生日とは異なるが、僕らが日曜日以外に夜一緒に夕食をいただける時間が無いので昨日の日曜日に外食に出かけることになった。

早や受験生になり、誕生日であってもユックリと外食する気持ちにはなかなかなれない様だ。さて、どこで祝おうか?

夕方になってもお店が決まっていなかった。お鮨屋さんでユックリ・・と言うのも親の好みとしてはイイのだろうけど、いくら高級でもカウンター席のお鮨屋さんとかステーキ屋さんとかでは誕生日の会話が弾みにくいし・・・

「ナニ食べたい?」と聞くと、「お鮨と言わせたいのだろうけど、今日はイタリアンの気分なんだよね・・」と少々予想外の答えだった。イタリアンは割と行くので「特別の日」という気がしなかったからだ。でも、本人が好きならば・・・ まあいいか・・・

 

妻が電話して予約を入れようとしていた・・・ 「一杯ですよね、そうですよね、でももしキャンセルが出たらご連絡をいただけますか?」と問いかけていた。どうやらごく最近テレビで紹介された新規開店したばかりの話題のイタリアンのお店らしい。

そこがどんなお店か全く僕は知らなかったけど、僕がワンコと犬小屋で楽しく過ごしている間に「席が用意できます・・」との連絡が来たようだ。まあヨカッタ・・・

さて出かけようか?としたら、妻がシャレたシャツを着ろ・・と普段着にダメだしをしてきた。確かに誕生日だが、イタリアンごときに気合を入れて行かなくても・・と思ったが、普段と違う印象の娘の姿を見て父親として素直に着替えることにした。靴も普段あまり履かない「イタリアン」で、シャツもベルトもズボンも「イタリアン」で統一して。頭だけは「イカレタン」なままだったがショウガナイだろう。

 

そのイタリアン・リストランテ・Aは最近出来た某ビルにある。ビルにはニューヨークに本店がある有名なデパート・Bが入っていて、まだオープンしたばかりで人が多かったが、スタッフは男性も女性も背が高く容姿端麗で、この街の美男美女を掻き集めた様な感じだった。僕の容姿(チビ・デブ・白髪)では絶対に雇ってもらえそうもないと嫉妬したほどだ。

かつて留学していた時には何度もここ・BのNYのお店に出かけては眼の保養を繰り返していた。何かを買った記憶は薄らいだが、こじんまりとしたファッション中心のお店は確かにNYらしくて好きだった。

その中で、娘に誕生日プレゼントとなるアクセサリーを買ってあげた。多分、初めてアクセサリーを買ってあげた気がする。子供と思っていたが来年は大学生になっているかもしれず、もしかしたら父親とは一緒に過ごしたくは無くなるかもしれず、ホロリと財布のヒモが緩んでしまった・・・ 僕らがNYのBに通っていた頃に妻は長女を身ごもったのだった。月日のたつのは実に速いものである・・・

 

プレゼントを手に、予約の時間に少し遅れて予約したレストランに向かった・・・

ビル内ではあるが、エントランスが高級感を醸し出す感じだった。そこで初めて僕はお店の名前を知ったのだが、東京の代官山や銀座にあるお店の支店らしい。夜景が見渡せるテーブル席の間を抜けて、奥の個室のエリアに案内された。ほとんどが二人連れの様だった。ちょっとカジュアルという雰囲気では無さそうだ。「勝負レストラン」の雰囲気だ・・・

長い個室エリアの廊下を通りながら僕らは最奥の部屋に案内された・・・ そこはテーブル席と5人用ソファーが用意された一番広い特別室の様だった。たまたまその部屋のキャンセルが出たのかもしれないし、「誕生日だから・・」と伝えていたのでアレンジしてくれたのかもしれない。ただ、ルームチャージを沢山取られるのではないか?と不安がよぎった、まあ、いいか・・・  (チャージは無かったようだ)

 

コース料理だけであったが、イタリアンとはいいながら、まるでフレンチの様な鮮やかさ・美しさだった。僕らがよく行くイタリアンのお店とは全く雰囲気の異なる驚きだった。妻は予めテレビで観て知っていたようだし、東京の同じ名前のお店の話も知っていた様だが、それでも登場してくる美しく美味しい料理の一品一品に新鮮な喜びを感じることが出来た。

 

ただ何と言っても、個室だったので、そんな料理への喜びを誰憚ることなく素直に話題にし写真を撮り、料理を前にして家族写真を一緒に撮ったことはあまり記憶にない。随分と久しぶりだと思う。周囲に気兼ねが要らず、個室でよかった・・・

娘は18歳の誕生日にプレゼントされたネックレスを胸元に飾り、ワイワイ・ゲラゲラと嬉しさで酔った父親としばし受験勉強の苦しさも忘れて過ごせたようだった。僕らがあまりにもユックリと楽しみながら食事をいただいたので、どうやら最後の客になった様子だ。三時間以上も楽しんだ。僕も久しぶりに楽しく酔ってしまった。

 

いま携帯のカメラで撮影された写真を眺めながら書いているが、大学受験が迫り、もうあまり家族四人でこんなに楽しく食事をする機会も無いかもしれない。来年はどこで誰と娘は誕生日を迎えるのであろう? 進学しても浪人しても、この夜とは全く違った誕生日になるのであろう。

もしかすると、家族四人で過ごす最後の誕生日になるのかもしれないと思いながら美味しいデザートを戴いた・・・

ただ、最後のコーヒーは僅かにホロ苦い味がしたかもしれない・・・

 

読んでくれてどうもありがとう