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【 猿の惑星:創世記 】

ハイハイ、今日も世間では禁句の「三連休」・・・らしいですが、僕は朝から夜10時過ぎまで例によってお仕事です。お仕事の合間を縫ってブログを書いてます、いいご身分ですね、ありがとう。

 

さて、お約束の「連休愚痴」を書いた後は、昨夜こっそり観にいった【 猿の惑星:創世記 】の話題です。

意地悪に「ネタばれ」しますので、読みたくない人は決して読まないで。映画を観た後に再びお立ち寄り願います・・・ まあ、読んでから観るのもアリかもしれませんけど。

 

まず正直な感想ですが、「とっても面白かった」です・・・ (アクション多い)CG作品は基本的に好きではない(嫌い)のですが、これは一応評価出来ます。

 

前作(1968年版)が超名作なだけに期待感ゼロ・・での観賞でしたが、1968年以来のファンも、新しいファンも、年寄りも若人も・・・楽しめるのではないでしょうか? もちろん、突っ込みどころ満載ではありますが、途中で2001年に出た変な【 猿の惑星 】でストレスを抱えている人は逆に観に行った方がストレス解消になるでしょう・・・でも、2001年版は酷かったなぁ。

さて、真面目に話しますと、宣伝とは異なり、どうも最初の1968年版にはストレートには繋がらない話の展開でした。原題では「RISE」となっていて、「起源」とは言えても「創世紀」ではないですね。また、「記」ではあっても「紀」ではないですね。邦題や宣伝方法はやや誤解を生みそうですが、「全く別の物語の始まり」と言ってもいいかもしれません。

要するに、人類破滅の原因は「全地球規模における核戦争」ではなかった様です、2011年版では。恐らくは、「未知の惑星に人間が宇宙船で帰還する・・」という設定自体も難しくなるのでしょう、まだ世紀を超えた宇宙旅行が出来る時代ではないですしね。

 

別の言い方をすれば、「猿の惑星」が誕生する方法は何通りもある、ということでしょう。

愚かな核戦争の連鎖、バイオテロを含む未知のウイルス病、地球規模の気候変動や食糧危機などなど・・・、何でも「人類滅亡」の理由がありさえすれば、別の生き物が地球を支配することは可能でしょう。ただ、人間を奴隷化できるのは猿位なもので、それが恐怖に繋がっているのでしょう。ゴキブリ支配の地球も有りでしょうが、怖さは感じません。

 

恐竜時代から 哺乳類の時代へ・・・

ネアンデルタール人の時代から 現代人の時代へ・・・

欧米中心の白人支配から 中国による漢民族支配へ、という大きな流れも支配する側が奴隷のように扱われることでは同じかもしれません・・・ 世界中に拡がって住む漢民族が未開な支配的民族と言ってる訳では有りませんので悪しからず・・・

 

 

また、1971年頃の第4作目でしたか、猿の高等化の理由として「ペットの犬達が感染症かなにかで全滅したあとに人間がサルをペット化して次第に高等になって行った」・・・というストーリーでも今回は無くなりました。猿の進化は人間の仕業によってもっと短期間に、一気に爆発的に【 創成 】されて行きます、2011年版では。

 

俳優達も好きですね、2011年版も1968年版と同じように・・・

 

主演の猿ですが、CG映像であっても、顔の表情や特に眼の動きに関しては実際の俳優さんらしいですね。「猿役の超プロ」だとか・・・ 上の写真のようにして顔の表情や四肢の動きを撮影してCG構成していったのでしょう。これは時代の流れで、1968年版はそれなりに素晴らしかったのですが。「猿のリアルさ」を比較するのは良くないですね。

 

猿を除いて・・・ですが、主演男優はブログで書きました【 127時間 】の俳優が好演していた様です。好青年ですね、彼は。チャールトン・ヘストンの男の魅力とは異なりますが、2011年風の「自然体の爽やかさ」があります。

主演女優はこれもブログで書きましたが、【スラムドッグ・ミリオネア】の俳優でした。インドっぽい美女ですが、警鐘を鳴らし続ける獣医さん役でした。こちらも爽やかで今風のアメリカを表現していますね。

主人公のお父さん役は2010年宇宙の旅の俳優さんですが、2011年にはアルツハイマー病になっていた様です。奇跡の新薬「ALZ 112」を投与翌朝に効果が出てしまったのには驚くしかないのですが、病気の雰囲気をよく表現していましたね。

所長さんに関しては、失礼ながら「支配する猿のイメージか?」と思いました。主要キャスト100人程の中で唯一の黒人でしたし、白人労働者達のトップに君臨して拝金主義を謳歌していました。

かつての【猿の惑星シリーズ】も多少なりとも人種差別の逆転思想が込められていたという話も有りますが、今回もちょっと人種差別の香りを感じました。

 

でも、【猿の惑星】の歴代女優さんとしては、1968年版で最後にチャールトン・ヘストンと馬に二人で乗って海辺で「自由の女神」を発見する「イブ」役のLindaさんが最高です。言葉を失った人間が持つ野生的な肉体美、官能的な生物的エロスが子孫繁栄にいかに大切か・・・を全地球上の人類に教えてくれたのは彼女でした。まだ小学生だった僕が映画を観て「言葉を失った」のでした・・・

 

さて、ここからがいよいよホントの「ネタばれ」です・・・(注)

この作品は遺伝子治療関連薬品を開発する「ジェネシス社」の話です。医学研究が怪物を創造してしまう話は「フランケンシュタイン」の話の昔いからありますし、遺伝子操作による治療薬開発やバイオテロ生物兵器開発とその使用なども現実の世界を含めよくある話です。ウイルスによる人類絶滅の話などは「12モンキーズ」にも似た話で沢山のストーリーが過去にありました。一種、「ノアの方舟」的な世界中に点在する普遍的な話でもあります。

要するにこれらの美味しいネタを組み合わせて小気味よく展開させて今風に見せているだけのようですが、その先に「1968年版 猿の惑星」があるだけに世界中の人の興味を引くのでしょう。恵まれた生い立ちです。

細かい突っ込みは避けますが、【 これは人類への警鐘だ 】という広告コピーは、それはその通りなのだろうと思います。

 

10月3日のブログ記事で【 神の領域 】という記事を書きました。映画を観た後で読み返しても同感です、推薦ゼロでしたけど・・・

映画は「遺伝子治療」を扱っていました。最初は注射で投与していた治療遺伝子を「ALZ 113」ではガス状にした「ウイルスベクター」で経気道的に投与しています。研究者がマスクが外れた際に感染して喀血し、その中に含まれた増殖後のウイルス自体が他人に感染し致死的となる・・と、「研究者が研究所で生み出した致死性ウイルスが人類を崩壊させる」ということは、「アウトブレイク封じ込め作戦」やその他の理論でも人類の半分も現代では殺せないでしょうけど、昔いた研究所で「肺疾患への遺伝子治療の際に似たような死亡事故」を人間に起こして大きな問題となった身近な研究者の事を想い出します。尊敬していた優秀な研究者だったんですが・・・

 

流行りのiPS細胞を用いた再生医療も 各種ウイルスベクター等を用いた遺伝子治療も、その先の「制御」や「長期的な副作用」などを人間が完璧にコントロール出来ないで実用化は困難ではないか・・・と僕は日頃やや悲観的に思っていますが、世間の山中教授賛美の声には悲観論者は少数派にしか過ぎない様です。まあ、そうやって科学技術は進歩していくんですが、恐らく生命の神秘には【 神の領域 】があって、そう易々と神は秘密のベールの中を見せてはくれないと僕は思います。

 

何となく、1993年頃に遺伝子治療に大きな夢を抱いて研究していた頃の自分と、仲間と、学会の雰囲気を想い出しました・・・

 

読んでくれてどうもありがとう