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TPPは静観を

11月12日からハワイで開催されるASEAN会議で野田ナマズ豚は【TPP参加】を表明するらしい。そのためにマスコミを利用しての世論作りを急いでいる様子だが、千葉県議あがりの都市型政治家には民主党の掲げた「地方分権」への想いは失われてしまったらしい。

ふり返れば、大政奉還なって鳥羽伏見の戦い・戊辰戦争を経て、大久保一蔵が太政官の独裁をし、中央官僚に全ての富と利権が集中する様な現在の霞が関官僚機構の基礎を築いたのであるが、曲がりなりにも地方分権がなされていた江戸後期までの日本国のシステムが地方平民から首都の官僚へと一旦絡め取られてからの後戻りは太平洋戦争における敗戦をしても戻されることはなかった。

江藤新平西郷隆盛ら参議の帰郷、島津久光左大臣の辞職から佐賀の乱・肥後神風連の乱西南戦争を経ても、一時風前の灯のようにさえ見えた官僚制度の確立に寄与しただけで、一旦出来あがった国のシステムを改革していくことがいかに難しいかがわかろうというもの。そして、平成の世にあって、長引く不況で日本中の地方経済はそれこそ風前のともしびの様である。

そこに、大きな政府を謳う民主党財務省連合の「大増税路線」が進む中で、運悪く大震災に見舞われた日本は世界恐慌前夜ともいえる不安定な未来展望の中で「震災復興」の名のもとに際限無き増税の道を進もうとしているかの様だ。

 

そして、あまりにも拙速な、あまりにも一部の意見に与した、拝金主義的な国家感無き超重要政策の議論が行われている。密室での議論ではないが、正確な情報が広く知らされぬままの、まるで中国共産党常任委員会における10人程度の議論の真似ごと・・・それで良いはずが無い。

 

農業崩壊は別に農家の問題だけではないのである・・・

日本中の地方経済は農林水産業の劣化が起これば持たないのであって、廃業した農家の狭い農地や整備されない山間部の一旦崩れた基盤と言うものは10年や20年といった単位では復活どころか現状維持も出来ないのである。

地方の中でも地方中核都市へ人は流れ、東京・大阪・名古屋などといった大都市圏に地方における経済基盤と夢を失った若者も中年も流れていき、地方に残ってナントカしようと頑張ろうにも地方経済のジリ貧状態に対抗することなど、全くの夢物語である。そこのところが、都市型・給与生活者型政党や政治家には分かっていない。輸出入型経済界の有名どころの経済人達も、捨ててきた地方経済が崩壊していくのは自己責任だという都市型成功者の立場でしかものを考えられぬようになってきている。

TPP参加は都市型・給与生活者型・消費者型の人々にとってはなるほど一時的にはいい制度・起死回生の一発かもしれず、「ルール創りからの早期参加が不可欠」という発言が出るのであろう。しかし、なぜ、「参加予定国の創るルールを見極める度量」を持たないのであろうか?

 

そもそも参加国には参加国なりの作戦があり、「いかにして他国から富を得て生き残ることが出来るのか?」しか考えていないのであって、間違っても「どこかの国が日本のために富を与えてくれる」ことを期待してはならないのである。

いまの「ユーロ圏におけるゴタゴタ」をみても、経済レベルや政治風土が大きく異なる国々が一蓮托生の運命共同体的経済圏を作ることは危険すぎるのであって、特に現代の様な先行き不透明な世界情勢においては慎重の上にも慎重に考えることが必要である。

僕は基本的にアメリカは好きだし、中国共産党がアメリカを抜き去って世界平和の秩序が崩壊することはなんとか避けたいと思うのであるが、TPP参加の決断は他国の議論を待つ必要があろうと思う。

 

そもそもTPPがそんなに重要なら中国が参加しそうだが、中国もアメリカも望んではいない様だ。当然だ、それぞれ自国の利益が侵害されるのがわかっているから・・・日本だって、日本の利益が侵害され今以上にアメリカの地方州の地位に落ちていくことは確実であるのに、どうして自ら進んでそのような愚策に乗ろうとしているのか?

最初に言ったように、累々と築き上げてきた国家のシステムや誇り、社会保障制度や文化的誇りの様なものは、一旦無理やり代えて進み出したらそう簡単には戻らないのである。

日本が参加しなくてもTPP制度が本当にうまく機能するかどうか、しばらく見極めたらどうであろうか? 予想としては、日本の不参加によってTPP制度はスタートしないか、スタートしても早晩自壊していく様な気がする。日本からの富の流出を期待してのアメリカ主導型TPPなのであり、始めから「日本参加ありき」であろう。

 

 

ならば、逆手にとって、日本は静観しながら、更にいい貿易の枠組みが無いかをその他の国々とも連携し検討を重ね、日本主導でTPPと対抗しても良いし、TPPに将来参加するにしても国内の経済基盤を強固にし、社会の問題点を整理し、「日本に参加をして頂くための制度変更」をちらつかせればイイと思う。ことは国家観にも関連するほどの大問題ゆえ、「日本国の大安売り」で一部の経済人だけが儲かって生き延びる様な世紀の愚策はヨシテ欲しいと切に思う。

東日本大震災級のM9地震と大津波は200年に一度ほど生じるらしいが、TPP参加は江戸末期に鎖国を解いたときと同じような200年に一度の大問題であるのに、政府内で議論している人々の国家観がお粗末すぎるように思えてならない・・

 

 

TPP参加は無茶で、静観すべき大問題です