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Back To The Street ふろむ診療所

教科書に書かれていない話?

今日、もう15年間も診療を続けてきた女性の妹さんの話をうかがった。自分よりも先に突然死されたとかで、悔やまれていた。その話の中で、彼女がもう一つ驚き悔やまれていた話があって、どうも一般にはあまり知られていないようなので、ご紹介しておきたい・・・

 

その妹さんは独居高齢者で、自宅で誰にも看取られず亡くなった。心臓病の持病があって、ペースメーカー植え込み手術をされていたから、突然死自体は年齢的にも親族はそれほど驚かれなかったらしい。もちろん悲しい話ではあるのだが。

僕ら循環器系医師だけでなく、医師や看護師は死亡後のペースメーカーは取り出して火葬すべきものということは常識と思うのだが、今回の様に自宅での突然死で病院内の死亡ではない場合には、ペースメーカーの死後処置をせず火葬するケースがあるようだ。

これまで何度も死体からペースメーカーを取り出してきたが、その理由は「火葬時の爆発を避けるため」であることも医療人の常識であろう。ただ、学生時代に教科書に書かれていたかどうかまでは記憶になく、循環器科の診療の場で学んだだけのような気もする。とすれば、日頃ペースメーカー患者に接することの少ない医師や看護師などももしかして知らないのであろうか?と不安になって、某ペースメーカー会社のHPを調べてみた。

 http://www.bostonscientific.jp/templatedata/imports/HTML/PatientEducation/Pacemaker/index07.html

 

その中の【警告:ペースメーカーに関する重要事項】説明の項目だけでなく、全文を読んだが、死後に体外に取り出せ・・との警告文は発見できなかった。土葬が主の米国製品だからという訳でもあるまい。僕がつぶさに読んで発見できないだけなのであろうか? もし書いてあるとしても分かりづらい様だ。

 

まあ、そんな常識を知ったかぶりするのも循環器科医師として恥ずかしいが、実は「火葬中に爆発したらどうなるのか?」と言うことは循環器科医師のくせに今まで知らなかったのである。

やはり、スゴイ爆発が生じてしまい、『頭蓋骨がかろうじて形状を保っていたものの、大きな太い四肢の骨が木っ端微塵に砕けてしまい、足の骨がどれかわからなかった・・・』とお姉さんが先に気付けなかったことを悔やまれていた。

火葬後に遺骨を親族で拾うということは大切なことであるだけに、是非とも死亡後の取り出しを本人だけでなく家族にも知らせておかねばならないと思い知らされた。何人もペースペーカー植え込み患者を診療しているが、そう言えば家族に元気なうちに話をすることはあまりなかったと反省している。

教科書に書かれているか、書かれていないか? 最近の教科書は読んでないので知らないが・・・