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Back To The Street ふろむ診療所

完結:坂の上の雲

二年前の冬に始まって、昨年・今年と続いたNHKドラマ【坂の上の雲】が先日完結した。噂では250億円もの巨額の製作費を投じたとも言われるが、素晴らしい作品に仕上がったのではなかろうか?

2年前から僕は小説が半分も進まず頓挫しているが、司馬さんの作品は詳しすぎて、多くの一般人にとっては「ハッキリ言ってどうでもいい」くらいに細部まで描こうとされているので、あの明治の時代の「まことに小さな極東の島国が開花期を迎えるその昂揚感」をひろく現代の日本人に教えてくれる代金としては250億円は安いものだと感じている。クダラナイ民主党予算案に比べれば、宝石とゴミくらいの大差があろうというものだ・・・

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しかし、ドラマはドラマ・・・ 史実とも少々異なる場面があり、原作小説とも少々異なる。NHK大河の龍馬伝も史実と異なる人々の交わり・出会い・共同作業があったが、歴史ドラマとしては疑わずに信じるひとも多いだけに少々疑問もある。しかし、どうせ小説であり、どうせドラマであるから面白くためになり明日への糧になる方が好ましいとも言える。それに、史実や歴史自体も観方によっても時代によっても異なる「事実」もあるのだから・・・

 

この【坂の上の雲】の最期で一番胸に響いたのは、バルチック艦隊を撃破して日本に凱旋した秋山真之が妻に涙を見せるとこだった・・・「海軍を辞めようと思う。わしは坊さんになりたい。あまりにも多くの戦死者を見てきた。あまりにも多くの人を殺してきた。対馬の海には多くの日本人やロシアの兵士が沈んでいる。わしは坊さんになってその人達のために手を合わせ供養していきたんじゃ・・・」 表現は少々違おうが、そんな感じのセリフだったと記憶している。

 

「坊さんになりたい・・」とは僕自身時々思うことでもある。医師としての反省や限界、生命に対する畏怖の念や魂への畏敬の念、そして長い長い永劫の時の流れへの思い・・・ 坊さんになって、神官になって・・・単なる現実逃避の策かもしれないのだが。

 

秋山兄弟も東郷も、あの時代の誰もかれもが英国・米国・ロシア・フランス・ドイツなどの列強に留学し、祖国に戻り強烈な熱意で「まことに小さな国」を列強に挑むほどに引き上げたんは確かだ。

陸軍で203高地作戦の指揮をとった乃木も児玉も留学こそしていないが、明治10年2月の西南戦争において、西郷を旗印に立て太政官政権を打倒しようとした薩摩軍と熊本城でともに戦った連中でもある。鳥羽伏見の戦いから連綿と続く兵士としての歴史や鍛錬があった。

ある人々が目覚ましい何かを成し遂げるにあたり、いきなり何か強力な力や作戦が湧きあがってくるのではなく、地道な経験や一見無駄かと思われるような遠回りの留学の様な勉学や研究を積み重ねることが功を奏する場合も多いのである。ある民主党のアンポンタン女性閣僚が「2番じゃだめですか?」とか「科学関連基礎研究予算を削減」しようとしたのは、アンポンタン政府の典型を見る思いであった。

 

前にも何度も書いたが、昨今の医師研修制度や医局制度変更の最大の問題点は医師不足や医師偏在などではなく、若き医師が大いなる憧れをもち熱意を抱いて、地道で遠い回り道をしてでも日本の医学のために貢献していこうという夢を妨げ閉ざしてしまったことに他ならない。

今や若き医師の世界に「坂の上の雲」なるものが見えているのであろうか? 存在しているのであろうか? そして、ある若者が世界に飛び出していかんとする意欲に現在の医療制度は堪えられるのであろうか? チョット、いや大いに疑問である。

 

確かに今、英国はたそがれ、EU諸国は経済に苦しみ、米国は戦いに多くを奪われてしまっている。中国やロシアは間違った繁栄を享受し、資源大国はバカな子供の様に遺産を使い果たそうとしている。そして日本は・・・アンポンタンの過度な平等思想に脳をグチャグチャに掻き回され無力化されてしまったようだ・・・

 

鳩山・菅・野田と続くオメデタイまでのアンポンタン総理のお陰で、「坂から転げ落ちても立ち上がろうともしないで寝転んでアメをなめている糞みたいな国」に民主党がしてくれた。その糞の代表である悪党枝野の愛読書が「坂の上の雲」だとは聞いてあきれる。

お前、ホントに読んだのか?