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【悪女について】

2012年の最初の本に選んだのは、有吉佐和子さんが1978年に書かれた【悪女について】だった。評判の非常に高い作品らしく、読後感もまさに「これは面白い、どうして今まで読まなかったんだろう?」というものだったが、「今まで読まなくてヨカッタなァ」とも感じる傑作だった。

ちなみに、1978年といえば、ぼくがまだ「悪女」どころか「オンナ」を知らない初心な頃だったなァ・・・、イヤッ? もう知ってたかな?

 

そもそも「悪女」について考えるようになったのは、ある淑女のブログ記事【悪女入門】に触発されてのものだったが、10月頃に一度は悪女に関する記事を書こう書こうと思いながらも、他の本に翻弄され、先延ばしにしてきた。

 

ただ、今もなお消化不良というか、「悪女の奥の深さ」にシビレているので、【悪女論】ではなく、あくまで【悪女について】について、思い浮かぶままに「悪女」を語ってみたい。新年に相応しい記事になるかどうかは保証しないし、僕本来の気品が損なわれる恐れを少なからず抱きながら・・・

 

さて、とりあえず他の人の書いた粗筋を新年早々パクって載せる。読みたくない人は読まないで・・・

 富小路公子という有名な女実業家が突然、謎の死を遂げる。マスコミが「虚飾の女王」などと悪評を書きたてた。彼女という人物と死の真相に興味を抱いたらしき某小説家は、公子を知る人々に次々インタビューして行く。27人が語る公子は奇想天外であった。
 本名は鈴木君子であったし、生まれも昭和21年ではなく昭和11年であった。自分は貰われっ子であり、さる高貴な方の落し胤らしいと言触らしていたが、母は実子だと語る。
 彼女には子供が二人いるが、戸籍上の父は自分の子ではないと言う。ところが自分の子に間違いがないと語る男が、別に二人もいる。この二人とは同時期から交渉が始まり、死の直前まで続いていた。しかし二人は、公子の2度の結婚を知らない。
 公子の事業資金が、どこから出ていたのかも明かされて行く。最初のインチキな結婚により、相手からせしめた慰謝料5千万円が大きい。これを元手に土地転がしをしていたらしい。彼女は苦学して税理士の資格を取っており、その知識を遺憾なく発揮したのだ。
 宝石商でもあった彼女に詐欺を働かれたと歎く語り手もいれば、得な買い物をさせてもらったと喜ぶ語り手もいる。公子に宝石の知識を授けたと思われる宝石職人は、彼女には詐欺などできるはずがないと言う。
 公子はビルの7階の窓から落ちて死んだ。その時着ていた赤いドレスは、10日後にハワイで3度目の結婚式を挙げるための衣裳であった。死の直前、彼女は、長い付き合いであるひとりの男に電話をかけ、2週間後に彼の赴任先のニューヨークで会う約束をしてもいる。それは結婚相手とは別の男であった
 

 

まあ、主人公「富小路公子」がどんな女性なのか、ドラマにもなっているらしいが、この手の悪女は謎のママが相応しいので、誰が演じたかは知りたくもない。

 

悪女・・・ 【悪女入門】の著者の鹿島茂氏に言わせると「ファムファタル」という悪女を意味する仏語は実にエロい発音らしいが、ファ とか、フェ とかいう音が脳幹をゆすり股間をくすぐるらしい。 ホントかな?

悪女という言葉も、某レンホウ議員などは単なる悪党の悪質な女性だし、悪人とも違うし、品が悪いとも違うし、身体的に何かが悪いのとも違うからヤヤコシイ。

 

言うなれば、悪女とは「イイオンナ」なのであって、誰にでも良い女ではなく、「イイオトコ」にとっての魅惑的な女性が「悪女」なのであろう。そして、その「イイオンナ」は性的な魅力は必須のものであって、コケトリー(媚態)が自然に醸し出される能力がないといけない。それは相手に性的な関係がありうるとほのめかし、しかもその可能性はけっして確実なものとしてはあらわれなような態度ということができ、映像で観る「高根の花」でもいけないし、可憐な「女の子」でもいけない。失礼ながら、ブスは良質の悪女にはなれないと思う。

 

対する男性の条件は必ずしも鹿島氏が定義するように「イイ男が身を滅ぼす」必要なないと思う。また、相手の男性は複数であることも必須かと思う。

複数の男性を夫々に翻弄し、泣かせたり・破滅させたり・死なせたり・放浪させたり・性の奴隷にさせたり・・・ 

もちろん、男性同士がハチアワセしたり、存在を気づかせたりしては良い悪女とはいえない。あくまでも「俺にとっての最高のオンナ」であることが必要で、溺れてもいい・・・全てを失ってもいい・・・と、一瞬たりとも思わせないと悪女の資格はない。言い方は下品であるが、「ヤレバヤルホドのめり込む」という「エロモン」を自然に備えていることが最上級の悪女なのだろうと思う。

可愛いとこがないといけないし、謎も多くないといけない。お金にミミッチクてもいけないし、ブヨブヨ・ガリガリでは難しい。

色んな人が色んな評価をして、数人の美女と魔女と淑女とが混ざりあい・匂いあい・輝きあう・・・それが最高級の悪女であって、一生に一度でも出会えればその男性の人生は確実に変貌していくものと思われる。

ただ、僕にとっての悪女と、あなたにとっての悪女は恐らく違うだろうし、今の自分自身が眼の前の悪女に気付き、相応しく立ち向かえるかどうかも時の定めに委ねるしかない・・・

 

その意味で、有吉佐和子の【悪女について】の富小路公子は正真正銘の悪女であって、悪い女ではなく、イイオンナなのである。決して結婚しようとしてはならないが、人生の中で関われ生き延びた者には女神でもあろう・・・

 

振り返って我が愛妻は・・・悪女ではなく、素晴らしく良い女性・・・ということにして、新春の【悪女論】を中途半端に終わろうと思う。

僕はまだ本物の悪女には出会ったことは無いが、出会っても気付けなかっただけかもしれない。今ならなんとなく悪女を見分けられる気もするが・・・

 

悪女予備軍の皆さん、読んでくれてどうもありがとう