Welcome To The Heartland

Back To The Street ふろむ診療所

土曜の午後・・・

土曜の午後 仕事で車を走らせていた ラジオに流れるサキソフォン 昔よく口ずさんだメロディー ・・・     全ての何故にいつでも 答えを求めてたあの頃 いつか自由になれる日を あてもなく夢見てた・・・

 

上は佐野元春のWILD HEARTSからの1節だが、今もなおライブで歌われるこの歌詞を今回は少し遠慮がちにシャウトしてみた自分に苦笑い。昨年の4月から土曜の午後を休診にして表向き「患者さんと接する仕事」は土曜の午後2時で終わり月曜の朝8時半までのささやかな自由時間をどう有効利用しようかと思い巡らせる日々を過ごしているからだ。もちろん、様々に放り出せない「責任」があって、ホントの自由とは今もって縁遠いのではあるが・・・

今年最初の土曜の午後の自由・・・ 12日の午後2時に間違って来院された解離性大動脈瘤を管理中の患者さんを診察し、数名の職員たちに「後はヨロシク」と言い残してすぐさまタクシーで新幹線の駅に向かった。ほぼ快晴で暖かなサイクリング日和であり、どうして新幹線で数時間もかけ出かける俺はどうかしているなァ・・・ 職員もどこに行くのか疑いもしないし、妻には「一身上の都合で遅くなるから・・・」と謎のメールで誤魔化す悪い夫、悪い医師、悪い経営者である。

そして夕方5時40分、僕は神戸国際会館に居た。そして腹ごしらえをして6時の開演時間を待っていると、先日記事にした採用面接の女性から携帯電話が鳴った・・・ 来月からの勤務が可能になったことを一刻も早く僕に知らせたかったとのこと、あと少しで電話が繋がらなくなるところだっただけに幸いだった。これで気分良くライブでシャウトし 汗を流し スイング出来る・・・ 

これが土曜の午後の自由の醍醐味。足元にはパソコンもはいった重たい仕事カバンがあるが、まあ派手にダンスしなけりゃイイだろう・・・ それにしても、初夏には広島、年末は宮崎、今度は神戸、そして次回は@@@と来ては、バカ野郎のレッテルも貼られていることだろう。まあいいけど・・・

 

神戸国際会館こくさいホールは良いホールだった。席もほどよく中央で、いままで新曲の歌詞が聞きとりにくかったけど今回はボーカルの音量を調節していたのか場所なのか、とても良い音響だった。素晴らしい「大人のアルバム」に仕上がったのではなかろうかと3月の新アルバムの発売を期待している。

しかし、今回のライブ・・・佐野さんが初めて政治的なコメントをしたのが少し気になった。原発への警鐘を日本の音楽アーチストとしては誰よりも先に明確に鳴らした彼だけに、盛り上がらない原発問題に不満があり思わず口に出た言葉なのであろう。そして「国のための準備」というライブでは滅多に歌わない曲をエッジの効いた切れ味鋭い演奏、スゴイパワーで歌い上げた。チェルノブイリ事故後の彼の置かれた境遇を想い、やや複雑な心境だったけど「何かを伝えなきゃ、若い世代に伝えなきゃ・・」という心境にいたったのだろう。

彼の新しいバンド、コヨーテバンドは新しいギタリストを加え更にレベルアップしている。この半年で4回目のライブを聴いたが、驚くほどの成長だ。各メンバーの潜在能力の高さによるのだろうが、佐野元春という高くて身近な良き先生に心酔したメンバーの切磋琢磨の賜物だと感じながらライブを堪能した。

最後の演奏を終え、彼が少し言葉は違うかもしれないけどこんな風に語り出した。僕も「その通り」と大きくうなづいたのだった。初めて聞いたコメントというか、佐野さんの正直な感想だったのではないか? 新しいアルバムが完成して実感した言葉だったのだろう。佐野さんのもとでコヨーテバンドは素晴らしいレベルに到達した・・・

「今日 演奏していて感じたことがあります。こうして色んな事が次の世代に 若い人たちに受け継がれ伝えられて行くんだなぁ・・・と」

ちょっと ピンと来てない客席の反応にチョッピリ不満だったかもしれないけど 僕は100%賛同してますから・・・

そして、ライブの余韻を胸に再び新幹線に飛び乗って、日曜日になる少し前に愛犬の待つ自宅へと戻ったのでした。愛妻は・・・あきれ顔で、待ってたかどうか不明のママです。