Welcome To The Heartland

Back To The Street ふろむ診療所

熱中症の危険

今日も、昨日も、一昨日も・・・ずっと暑い日が続いていますねェ

でも、啓蒙活動のせいか、印象としては重症の熱中症患者数は当院では増えてませんでした。軽症は多いですが、医師として「死ぬかも・・・」と感じたケースは実に3年振りでした。

今日の午前の外来が終わって、透析の回診が終わって、職員との短い打ち合わせが終わって、昼食をとりながら昨夜の綾瀬はるかチャンの「八重の桜」録画を早回し再生してる時に、30代の道路作業員が仲間に運ばれて待合室の一番玄関近くのソファーに寝転がらされた・・・運んできた人たちは消えた。

外来スタッフが点滴確保しながら僕に「急いで、センセ・・ ご飯どころじゃありませんから・・・ これは命令です・・・」という様な雰囲気の院内電話をかけてきた。僕は広大な敷地内の巨大な診療所内を急いで走って、約5秒程で現場に到着した・・・

幸い意識はある・・・。自分の名前も言える・・・・。しかし、手も足もコチコチで・・・、指も曲がらず・・・、手足は冷たく・・、ついでに全身の痛みを訴える患者に、少々というか、相当の重篤感を感じた。

電解質を測定して我が目を疑った・・・・

測定限界を超えていた・・・ カリウム10.0 ??? ホントですか? ナトリウム 200.0??? ホントですか?

ウソでしょ? と思いつつ、別の腕から5分後に再度採血して電解質を測定した・・・・ 全く同一の限界値を示していた。ウソでしょ??? カリウムが8を超えたのは15年以上も、つまり開業して一度も見たこともなかった。

結果は脱水で虚脱しなかなか血管確保が出来ないし、動かせないままにロビーで処置してるし、心電図モニターは今のところ不整脈は出てないし、患者も少し気分が良くなりだしたというけど、それでも実にヤバそうな状況だった。

それでもナントカ急いでGI療法の準備をやりつつ生食を1500ml点滴した時点で基幹病院に電話で搬送依頼をしたが、「その状況では透析が必要かも?」とあっさりと他の病院へ行くように指示された。

緊急透析なら当院でも出来るのではあるが、対処を誤っては当院の一大事になりかねないので、別の基幹病院へお願いし救急車に同乗した。

GI療法も並行して行いつつ、車内で生食は2000mlを超えた。随分と気分も良くなり、血圧も70mmHgから116mmHgまで回復し、手足のこわばりも震えもシビレも全て改善した時に救急車は病院に到着した。

f:id:murasawatakehiko:20150508215720j:plain

後で連絡を受けたが、軽度の腎機能障害も伴っていた様子であったが、透析は不要のママ一泊程度で帰宅できそうな回復だった様だ。

朝食をとらず、炎天下の外で仕事をし、気分不良になりつつ更に2時間の仕事をしてヤバそうな状況となって運ばれた様子。

久々に死ぬかと思ったが、こんなのを死なせてテレビで放送されたら更にヤバいぞ・・・と職員一同で必死に手際よく働いたために応急処置が功を奏した様だと思う。

死ぬ典型的なタイプの熱中症のケースだったと振り返れば感じる。久々に緊張したが、いい勉強にもなった。

f:id:murasawatakehiko:20150508215733j:plain

ふと床を観ると、小さなコオロギが一匹・・・・ もう秋のハズなのにねぇとそいつに語りかけてはみたものの、外はやはり凄まじい暑さだった。

f:id:murasawatakehiko:20150508215748j:plain

 

昨日も一昨日もサイクリングに出かけた僕は馬鹿なのかもしれない・・・ 山頂で確かにボーッとしたのは覚えている。だから昨日は高速道路の下の日陰を走ってみたが、ヤッパリ暑くて快感だった・・・

f:id:murasawatakehiko:20150508215804j:plain

残暑お見舞い申し上げます。