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それぞれの再出発

先の日曜日は子供たちから「ラブラブだね」と冷やかされながら妻と映画に出かけた・・・【大統領の料理人】   最近どうも映画館でも家のDVDでもフランス語の映画ばっかり観ている気がするが、予告編どうりに素敵な映画だった。ミッテラン時代の実話らしいので、素晴らしい話だった・・・と言う方が適切かもしれないが、イイ感じの女優さんで、映像も美しく、料理も美味しそうでたまらないくらいだった。

ただ、どうも男性社会の料理人のイビリ・イジメとその役割の緊張感から辞職して南極大陸の基地の料理人として再出発のスタートを切る姿は流石に貫録さえ感じるほどの素晴らしさ。世界にはこんな女性もきっと沢山いるんだろうなぁとホッとする幸福観も同時に味わえた。

少し前に観た【シェフ】も実に興味深い料理人の映画だったが、どちらもフランスならではの映画の味わいがあって、夕食は家族揃っての外食となりました。ただ、フランス料理ではなくって、馴染みのイタリア料理のお店ではあるが・・・

実は、もう家族で12年ほど通っているこのリストランテはあと10日ほどで閉店となる。仕事の関係で、僕にとっては最期の夕食となるであろうが、トリュフの季節のお別れとは何だかちょっと悲しい。まだ子供らが小学生になる前からのお付き合いだから、イタリア料理店としては一番定期的に長く通い続けているお店かもしれない。

ただ、閉店とはいうものの、僕より若いご夫婦の長年の夢である「郊外で自然食品を育てながら動物たちの卵や乳を料理に取り入れたリストランテを開きたい・・・」が実現する日がいよいよ来たということでお二人にとっては実に喜ばしいのではあるが、ちょっと遠くでもあるので、僕と同じ自転車が趣味の御主人の美味しい料理を味わう機会は残念ながら大きく減ることだろう。

数年前からジックリ計画されてきた自然農園を生かした「アグリ・ツーリズム型」レストラン施設には宿泊施設も併設され、オーベルジュ型とも言えるかもしれない。ぜひ成功して欲しいものだと思って家族と一緒に最期の記念写真を撮影してお別れした。

しかし、お店を畳むのは突然の場合も少なくないようだ。飲食業は厳しい世界のようで10年以上続くことは容易ではないかもしれない。これまで幾つかの馴染みのお店が突然のように閉店となったり経営が変ったり・・・ なかなか難しい点があるのであろう。

ずっと前に通っていた某レストランがシェフの退職を機に経営が代わってしまい、引き継がれた新米料理人のご夫妻の熱心なお姿に魅かれて続けて通っていたものの、事情で数年後に閉店され故郷に戻られサラリーマンになられた時は何となく寂しさを感じたが、いまもなお年賀状が律儀に届き、その頃生まれた娘さんが随分と大きくなられた写真を見るのが楽しみである。全く新しい人生も楽しまれて暗い影など微塵も無いのが幸いである。

またつい先ごろ、ここ3年ほど凄く馴染みにしていたジェラード屋さんもなぜか突然お店を譲られて故郷に戻られた。2週間前にお店に行った際に研修中の名札を付けたオバさんに「今日はご夫妻はおられないの?」と訊いた時の返事が「お引っ越しをされたんですよ、急だったんですけど・・」だったので凄くビックリして理由などを訊いたものの、顔見知りのアルバイトの女性も突然で良く判らない・・との事、決して経営が悪そうな印象でも無かったのであまりにも急な引っ越しの理由が気がかりで、色々と考え込んでしまった。

ただ、新しい経営者の作るジェラードの味わいは大きく見劣りするので、食べ物のお店をそのまま引き継ぐのも容易ではないと、前の経営者と親しくなっていた僕らとしては新しい経営者との関係をどうしようかと悩んでいる最中である。

お店を続けるのも大変だが、畳むのも、引き継ぐのも容易ではない。それが人生と言うものかもしれないが、長年苦労し努力をしてきた人々が人生をかけて作り上げたお店なだけに、言葉では簡単に言い表せない感情が湧きあがる出会いと別れ・・・なのである。

それぞれの再出発が幸多きものとなる様に祈っております・・・

読んでくれてどうもありがとう