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新型インフル特定接種登録

正式には何というのであろうか? 

新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づいて新型インフルエンザ・ワクチンを国民に先んじて行う「特定接種」に関わる事前登録】というのの締め切りが迫っていて、様々な団体(医師会)から是非登録をするように・・・、出来れば透析医の皆さんは【重大緊急医療提供を行う事業】としての登録を行うようにと言われ、先日その登録を済ませた。

ただ、実は非常にその危険性を孕んだ制度には賛成しがたい気持ちを抱いていただけに、なにやら「戦争になったら米をもらって飢え死にしない代わりに前線に歩兵として志願することを誓います・・」といった誓約書を役人に提出してしまった様な気分がしているのが本音である。

ワクチンを優先的に打ってもらうには幾つかの条件があって、その最大で最低限の決まりは「新型インフル流行時には決して閉院せずに平時と同じように診療を継続する義務が生じ、医療機関名はHPにて公表します」から患者が押し寄せても逃げずに診療すべき義務があるけど・・・判ってるよね!! という内容のものである。ただ、「絶対に権利があるとはいえません」とまで但し書きがある代物である。

これには当然ながら従業員の全面的協力が不可欠であるが、そこで生じかねない労働災害や雇用関連の法律との兼ね合いなどが一切無視され、まるで経営者の院長は従業員と自身の生命を含め自主的に生じうることへの責任を果たす様に・・・、という見事に「嵌められた」ような文言が並んでいるのである。こういう役人の手法には感心するやら反吐が出るやら・・・困ったものである。

我々透析医はいかなる場合でも逃げず隠れず透析患者と盆正月も台風でも地震でも生涯の付き合いをしていく覚悟を持ってはいるのだが、そこに政府の「俺は知らんけど勝手に責任を果たしてくれよ、まあせいぜい頑張れよ・・」みたいな法整備の魔術には恐れ入るという表現が適切かもしれない。

しかし、従業員にまで生命の危機が迫るかもしれない仕事を無理強いする権利も責任もが我々開業医にあるのであろうか? 医の倫理とはそのようなことまで含まれるのか? 医師個人の倫理観での行動とは異なるハズなのに・・・と、この話が囁かれ出した1年以上前から僕はなやみ続けていたのだ。

ただ、多くの医師があまり疑問も持たずに登録する様を見て、頼もしいやら危なげないやら・・・少し複雑な心境である。

医師や看護師や事務職や給食担当などなど、夫々に家族がいて生活への責任もあるし、そこまでの職業倫理の規範が求められる割には医療職への不当な報道や責任のなすりつけがあって素直には頷けないのがホントの気持ちかもしれない。

数年後にホントに新型騒ぎが再び、三度生じて危機に直面した時に、我々の今のこの判断が正しかったか間違っていたかが判るのであろうが、僕自身の本音は「自由きままに暮らしたい」ということである。

久々の医療ネタ、読んでくれてどうもありがとう