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Welcome To The Heartland

Back To The Street ふろむ診療所

旅行に行きたい

今日、中国の突然の軍事演習で一日足止めを喰らった両親が目出度く帰国しました。さすがに合わせて160歳超えの二人にとってチベットのラサや3000mを超える名峰峨眉山は大変だったようです。坂道や階段も多く標高も高く、足は腫れ息切れで頂上はあきらめたようでした。

これで両親の世界遺産の旅はオセアニア以外はほぼ網羅したようで、考えてみれば幸せな夫婦だと思います。

患者さんの中にも旅行好きの方々は非常に沢山おられます。時には楽しくお話を聞かせてもらいますが、パスポートを持たぬ開業医としましては、嫉妬心で眠れぬ夜を過ごすこともなくはないです。

昨日の祝日に「今日は少ないねぇ。あら、今日は祝日だったの?知らなかったけど少なくてラッキー」とかなんとか言いながら来院された患者さんも、一昨日に約100日間の世界一周の船旅から帰国されたばかりです。毎年の世界一周の旅で、よくも飽きないものだと感心しますが、世の中には働かなくともお金に困らない人々が沢山いるんですね。こんな田舎にも居るんですから東京などではウヨウヨ居るんだと思います。

さて、その患者さん・・・ 一度死んでます、心室細動で。でも幸い院内で生き返って、今は元気です。そもそも15年前に大学病院へ通うのが辛過ぎて無理だから近所で・・と初めて当院を受診された際には確かに数年持たないだろうと思いましたが、名医の素晴らしい管理のお蔭か、本人も医者もビックリの復活を遂げられた次第です。

その患者さんは心不全の原因ともっている慢性心房細動があって、厳重な内服管理が必要でした。薬の知識も職業柄多く、おまけに新薬やら薬価が高い薬を避けたがるヤーな性癖もあります。そのくせ、数か月の海外旅行に年に2回は出かけてくれて、心不全脳梗塞予防や高血圧の薬などをどうしたものか?と主治医泣かせでもあります。

幸い、必須の抗凝固剤に関しては最安のワルファリン使用時の効果が某指標で極めて安定している方でしたので、目をつぶって100日間の処方を今までしてきたわけです。でも少々効き過ぎや効かなさ過ぎにたいして怖いものがありました。船内ではPT-INR検査とかトロンボテスト等は無理でしょう。それでいつも悩み悩み旅行の許可をいい加減に出しておりました。旅行会社に提出する診断書も「一度死んでますけど、生き返ってからは不死身です。きっと大丈夫・・・」と真実を書いて提出しています。相手(旅行運営会社)も良い常連さんなのでヘンテコな診断書には悩んだことでしょう。

でも今年はとうとう新しい抗凝固剤のNOACが長期投与解禁となりましたので、ワルファリンよりはるかに高い某薬剤を高いお金で買っていただきました。これで厳格なコントロールからお役御免となって気楽になれて幸いでした。

死んでもいいから旅行に行きたい・・・が口癖の患者さんですが、僕も「死にたくなんてないけど旅行に行きたい」と願っています。

でもまずはパスポート申請が先ですよね。ただ、パスポート申請に行く時間がなかなかないのもまた事実です。

それにしても、両親が元気すぎてチョット驚きました。それが最も嬉しいことですけどね。