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Welcome To The Heartland

Back To The Street ふろむ診療所

ご家族からのお電話

開業医に限らず臨床医をしていると予期せぬ患者家族からの名指しの電話にはドキッとしてしまうことが少なくない。特に普段あまり馴染みのないご家族からの電話には「何かクレームかなぁ?」と身構えてしまった覚えのある医師も少なくないだろう。

今日は秋分の日で祝日。更にはお彼岸なれど、当院は例によって当たり前にお仕事で、おまけに介護部門も通常業務だった。

夕方6時を少し回ったところ、介護スタッフから「@@さんのご家族が理事長先生とお電話でお話をしたいとのことです」と告げてきた。理事長などという大袈裟な肩書はご勘弁願いたいと日頃思っているが、「@@さん」の顔も思い浮かばない。

介護施設のご利用者なのだが、主治医ではないので記憶になくても不思議ではないが、それでも理事長が知らない(報告を受けていない)介護事故が最近生じたのかもしれないし、職員との間でトラブルになっているのかもしれないが、良く事情が分からないままに電話に出ることになった。

流石に全然利用者のプロフィールが判らないとお話は更なる問題化を生むかもしれず、スタッフに短く話を聞いてから電話に出た。

「@@さんは**町からのデイサービス利用者で、99歳の女性です」とだけ聞いたが、さっぱり電話の意味が分からず、しかも過去に理事長名指しでデイサービス利用者のご家族から電話をいただいたことはなかったので余計に緊張して身構えてしまった。

電話の相手は男性、恐らくは99歳女性の息子なのであろう。当然この方とも面識は全くなかったが穏やかな口調でチョット安心した。

「先生、ありがとうございました。ちょうど今日が誕生日なんですよ。どうもどうも・・・。とっても嬉しいです。またよろしくお願いします。」

どうやらスタッフが誕生日のプレゼントを贈ったらしかった。

でも普段の誕生日プレゼントはスタッフの手作りの品に安い一品を添えただけの数百円の値段のものであるし、とてもお礼を言って戴けるほどのものではないと今まで思っていたので意外と感じつつ対応した。

「おめでとうございます。これからもお元気に長生きされますように。これからもどうぞご利用下さい」 と話して電話を終えた。

ささやかなことだけど、僕にとってはとっても嬉しい出来事だった。大して流行ってはいないし、これから先の介護業界の厳しさは悲惨な予測ではあるけれど、スタッフがよくやってくれているようで、嬉しい。

自分自身を褒められるよりもスタッフの頑張りとか人柄を褒めていただけるのが何倍も嬉しい。利益などどうでもよくなるほどだ。

つい先ほど、深夜12時を過ぎてからも介護施設の入居者の体調不良の電話がスタッフからかかってきた。みんな寝ずに熱心に働いてくれている。

感謝感謝である・・・

明日からまた頑張って働こう

読んでくれてどうもありがとう