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Back To The Street ふろむ診療所

紹介状を準備しましょう

小さな診療所をやってると紹介状を書くことが非常に多い。今うちでは平均して年に200本ほどの紹介状を書いている。少なくないと思う。

ただ、長年・・・、時には15年間も診療してきた患者さんの紹介状を書くときはチョット感じるものがある。病気での基幹病院での精査加療目的での紹介状は実に事務的な純粋に医学的な紹介状で特段の感傷は書いているその時にはなく、むしろしばらくたってから患者が運命の定めによって遠い存在になられた時などにジンとくるだけだ。しかしながら、転居が理由で遠くの、特に大都会の医療機関へと紹介状を書くときは少しばかり感傷的な気分になる。

今日もそんな紹介状を2通したためた・・・

どちらも息子夫婦の家に同居のための転居が理由の紹介状だ。15年間の様々な想いがPCのキーボードをたたくスピードを鈍らせる。あれも書こう、これも書かなきゃ・・・

もしかすると2度とお会いしない「元患者」の@@さん、今生の別れかもしれないわけだ。患者と医師(医療スタッフ)の関係って不思議だと思う。信頼感で究極の個人情報を扱う立場ながら所詮は他人だ。子供さんたちの知らない秘密もたくさん知ってても他人は他人、どうしても肉親とは異なる何かがあるようだ。

「紹介状を準備しましょうね、いい病院が見つかるといいですね、よく評判を聞いてみてくださいね・・・ お元気でね・・・じゃぁね・・・」そう言ってお別れする。

そしてわずかにため息をついて、次の患者さんを診察室にお迎えする。明るい声でなんとなく饒舌になってしまうから不思議だ。きっと「もっとその時その時を大事にすべきだったなぁ」という反省がそうさせるのかもしれない。

読んでくれてどうもありがとう